「iPhoneで夜景をきれいに撮れる?」という質問を受けることがたまにある。その人がどんな夜景写真を想像しているのか知らないけれども、普通の夜景なら撮れます。
特に都会の夜景はなんだかんだいって明るいので、普通にカメラを向けて撮ればOK。
ただし、「手ブレ」にだけは注意すること。これが一番大事。
昼間の写真ならけっこうアバウトにもってアバウトに撮ってもOKだが、夜景となると、そうはいかない。暗いから。
である。
自信がないときは、体を電柱か何かにあずける(これで身体がぶれにくい)、椅子に座りテーブルに両肘をつく(これもぶれにくい)、などをすればOK。
話がややこしくなるのは、光が少ないときだ。夜景ってのは大体にして、暗い背景と明るい光源の組み合わせでできてる。両者のバランスがほどよいと、そのまま撮ってOK。
バランスが悪いとどうなるか。光が少ないと、背景の暗さに引っ張られてこうなるのである。
光が少ないと必要以上に明るく撮ろうとして全体にノイズが増えてざらっとなる。で、前回の話を思い出してほしい。タッチAF/AE&明るさ補正(露出補正)だ。
どのくらい補正するかはお好みで。
スポットライトを浴びてるようなときはぐっと暗めにして、背景を真っ暗にしてやると、よりコントラストが際立った写真になる。
タッチAF/AEだけでもずいぶんと違う。明るいところをタッチして撮れば、そこの明るさを基準にするので背景がぐっと締まるのだ。
つまるところ、タッチAF/AEと明るさ補正の使いこなしが大事なのだ。
冒頭の夜のiPhone 6sの写真もiPhone 6s Plusで撮ったもの。夜の公園でiPhone 6sのアップルマークのあたりをタップして合わせて撮影した。おかげで背景がぐっと締まって雰囲気が出た。
あとはもう明るく撮るも暗く撮るも自由自在。
ここはお好みで。
ただ、強い光源にはピントが合いづらいのでそこは撮るときに確認すべし。あとから見たらちょっとピンボケしていたということもあるから。
夕焼けを撮るときも夜景と同じ技でいける。
夕日や夕焼けは「空の明るさ」と「地面の明るさ」の差がすごく大きい。空はまだ日が少し残ってて明るい。地面は逆光なので暗い。
撮り比べてみよう。
これなんかも空をタップしてさらに下方向にずらして(つまりマイナスの露出補正をかけて)撮った西の空だ。奥に見えるのは富士山。どうせ富士山は小さくしか見えないのだから、とわざと少し離れて手前にイルミネーションを入れてみた。シルエットとイルミネーションの向こうに富士山という構図。
これもタッチAF/AEを使わなかったら、手前の屋根の下部分が明るく写り、遠くの空は白くなって夕暮れの雰囲気が消えちゃう。
夕日や夕焼けは空をタッチしてそこに明るさを合わせ、さらに暗めにしてやると、より色が濃く乗って夕焼けらしくなる。
iPhoneのカメラって機能はシンプルだけど、タッチして指を上下に動かすだけで自在に撮れるのだ。夜景や夕焼けがうまく撮れないという人はぜひ。
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