5Gケータイは出る? 「2年縛り」はなくなる?――2018年度KDDI株主総会、注目の「一問一答」

» 2019年06月19日 18時45分 公開
[井上翔ITmedia]

 KDDIは6月19日、第35期(2018年度)の定時株主総会を開催した。同社の高橋誠社長が議長として同期の各種報告を行った後、中期経営計画と総会での決議事項を説明した。

 この記事では、同総会で行われた株主と同社経営陣との質疑応答のうち、通信事業に関わる主要なものを体裁を整えた上でまとめる。

 なお、記事中の写真は会場の別室に設けられたモニターを撮影したものとなる。また、本文中の役員の肩書きは株主総会前のものを使っている。あらかじめご了承いただきたい。

株主総会直前 株主総会開始直前の様子
高橋誠社長 議長を務めた高橋誠社長

質問者A:5Gで「ケータイ」は出る? 防衛需要のセグメント分けは?

―― 当社(KDDI)では3G通信サービスを(2021年度までに)終息する予定になっていますが、5Gでも「ガラケー」(フィーチャーフォン、ケータイ)のようなデバイスは出るのでしょうか。秘密を要求される職場を持つ法人では(ケータイが)重宝されていますし、(そのような法人では)それ向けにシステムを構築しているので、その辺の配慮もお願いできるとありがたいです。

東海林崇専務(コンシューマー事業本部長) 貴重なご意見、ありがとうございます。

 3Gについては2022年3月でサービスを終了しますので、3G端末の供給も終了していきます。ただし、使い勝手のほとんど変わらない4G LTEケータイは継続して投入しているので、心配いただかなくても大丈夫かなと考えています。

 ちなみに、2019年夏モデルとして最新の「GRATINA KYF39」を発売します。引き続きご愛顧いただければと思います。

東海林取締役 質疑に応じる東海林取締役
GRATINA KYF39 4G LTEケータイの最新モデル「GRATINA KYF39」。USB Type-C端子を備えるなど、最新要素を取り込みつつも3Gケータイとほぼ同じ使い勝手を実現

―― 今後、防衛関連(におけるサービス)の需要が伸びると思うのですが、当社の場合はどのセグメント(事業区分)に入るのでしょうか。

高橋社長 防衛関連について、そこに絞ったビジネスを見ている(考えている)わけではありませんが、官公庁向けだと考えると、新しいセグメント分けでは「ビジネス」として対応することになると思います。

セグメント分け 新しい中期経営計画におけるセグメント分け。防衛関連は「ビジネス」で扱うことになりそうだ

質問者B:大株主であるトヨタ自動車との関係をただす

―― どうしても聞きたいことがあり、新幹線に乗ってきました。

 トヨタ自動車とソフトバンクが昨年(2018年)、「e-Palette」に関する協業を発表するなど、モビリティ関係で一緒に事業を展開しています。

 なぜ、当社の大株主であるトヨタ自動車からそのような(モビリティにおける協業に関する)話がなかったのでしょうか。差し支えなければ回答をお願いしたいです。

(筆者注:トヨタ自動車はKDDIの2位株主)

森敬一常務(ソリューション事業本部長) KDDIは2000年代初頭から15年以上、トヨタ自動車の車両に通信(回線)を提供しています。またトヨタ自動車も弊社を(自動車向け通信における)主体パートナーとして位置付けていて、中期計画の資料にもある通り、通信プラットフォームを海外に広める取り組みを一緒に進めています。

 ソフトバンクとトヨタ自動車の合弁については、いわゆる「MaaS(Mobility as a Service:ICT技術を活用した移動サービス)」に関する取り組みで、弊社もトヨタ自動車や他の企業とお話しを進めている所です。

 私たちとしては、継続して話し合いを進めていきたいと考えています。「話がなかったのか?」というご質問に関しては「いろいろな話し合いを続けています」という回答になります。

森取締役 質問に答える森取締役。ちなみに、同氏はトヨタ自動車出身である
トヨタはパートナー トヨタ自動車のコネクテッドサービスのプラットフォームはKDDIと共同で構築している

―― 菅(義偉)官房長官の「携帯電話料金を4割下げられる」という話から、当社を含め各キャリアが料金の値下げを進めています。

 そうすると当社の場合、au(国内の個人向け通信事業)がシュリンク(減収)する分、それを金融(ライフデザイン事業)やその他の事業でカバーするということになると思うのですが、事業計画通りに売り上げや利益は伸びていくのでしょうか。

 (同業他社である)NTTドコモはかなりの減益を予想していることもあり、心配しているところです。

高橋社長 通信市場では「4割値下げ」が話題に上がりますが、各社ともに通信プラン(の料金)を下げて、その代わりに端末販売時のインセンティブ(販売補助金)も下げる、いわゆる「分離モデル(プラン)」の導入を進めています。

 私たちはこの取り組みを1年半前から進めていて、通信料金を安くしてきました。この1年半では、お客さまに3000億円程度の還元をしてきた状況です。

 先般、ドコモが値下げを発表しましたので、これから3年間で1000億円程度の対応(追加の還元)をする予定で、2019年度の業績予想や新しい中期経営計画には織り込み済みです。「4割値下げ」を加味した計画であるとご理解いただければと思います。

 ただ、通信だけでは成長するのが難しくなってしまうので、ライフデザイン分野や新規事業を広げることによって(収益基盤を)広げていきたいと思います。

質問者C:定期契約について質問

―― 国(総務省)が「2年縛り」をやめるようなことを言っていましたが、KDDI(au)でもそうなるのでしょうか(参考記事)。

東海林取締役 料金制度については、5月17日に改正電気通信事業法が成立して、6月21日には改正法に基づく新しい総務省令の案(参考記事)が審議会に諮問される予定です(参考リンク:PDF形式)。

 社長からも話がありましたが、今回の省令案では通信と端末の分離や契約期間の規制がかけられる可能性がありますが、期間拘束が全くなくなるわけではありません。ただし、拘束期間は最大2年間という中身になると思います。

 省令が決まり次第、適切な対応をしていきたいと思っています。

高橋社長 これらに加えて、契約解除料を1000円にするといった議論も進められているので、審議会の動向を見つつ対応を検討したいと思っています。



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