ソフトバンクは10月17日、秋冬モデルの5機種を発表した。内訳はスマートフォンが4機種、子ども向けのキッズフォンが1機種。スマートフォンは、他社も導入している「Xperia 5」や「AQUOS zero2」「AQUOS sense3 plus」に加え、ディスプレイ付きケースを装着することで2画面端末になる「LG G8X ThinQ」(以下、G8X ThinQ)をラインアップに加えた。G8X ThinQは、このケース付きで発売される。
これらに加え、同社が強烈にプッシュしているのが、Google製の「Pixel 4」「Pixel 4 XL」だ。2モデルの発売日である24日には、CMに出演するV6の岡田准一さんや、お笑い芸人のアンタッチャブルの山崎弘也さんを招き、カウントダウンイベントまで開催。店頭でも大々的にPixelを打ち出している。
では、ソフトバンクはどのような考えでこのようなラインアップをそろえたのか。秋冬商戦を迎える同社の戦略を解説する。
発売日にイベントを開くなど、ソフトバンクが販売に注力しているのがGoogleのPixel 4、4 XLだ。本連載でも触れたように、同モデルはGoogleの目指す「アンビエントコンピューティング」を具現化するために生まれた端末。ハードウェア、ソフトウェア、AIの3つを融合させることで、今までのスマートフォンにはない新機能を実現した。星空の撮影や、劣化の少ない8倍ズームを実現したカメラは、その象徴的な機能だ。
ソフトバンクは、先代の「Pixel 3」「Pixel 3 XL」からPixelシリーズを取り扱っており、Androidスマートフォンの中核に据えてきた。同社の代表取締役副社長執行役員兼COO、榛葉淳氏は「多くのユーザーからのご支持をいただき、大人気の端末だった」と1年間の実績を振り返る。
実際、ソフトバンクのPixel 3、3 XLは発売当時から売れ行きも好調で、端末の販売ランキングでも上位に顔を出していた。あるGoogle関係者も、「グローバルで一番台数が出ている販路かもしれない」と口をそろえる。端末そのものの魅力はもちろん、各種広告を積極的に展開したことや、店頭で大々的にプッシュしていたことも、ヒットの理由といえる。さらにPixel 4、4 XLは、ドコモが取り扱いを見送った結果、ソフトバンクの独占提供となった。
先の榛葉氏は、「国内キャリアではソフトバンクのみ」と自信をのぞかせる。ソフトバンクのモバイル 事業推進本部 副本部長の郷司雅通氏は、「他社にないところは最大限出していきたい。Googleもプロモーションをやっていくので、一緒にシナジー効果を出せればと思っている」と語る。独占になったことで、ラインアップの“顔”として、2018年以上に販売を強化していく可能性もありそうだ。発売初日の滑り出しも、「Pixel 3aがあるので伸びない可能性もあったが、思っていた以上に手応えがあり順調」(同)だという。
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