ドコモの激安「ahamo」で携帯業界に激震も、“料金プラン”扱いには疑問石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2020年12月05日 08時05分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ドコモ内での移行は限定的か? “料金プラン扱い”が残した課題

 このユーザー層を踏まえると、ahamoに移行する既存のドコモユーザーは、限定的になることが分かる。現状でギガホを契約しているユーザーにとって、20GBだと物足りない。逆にギガライトのユーザーは、「みんなドコモ割」を使えば1980円で済むユーザーが多く、ahamoに移行すると容量は増えるが、料金は上がってしまう。こうしたユーザーは店頭でのサポートを必要とするケースが多く、受け皿がオンラインだけのahamoとは相性も悪い。その意味で、ahamoは他社からユーザーを奪う武器になりそうだ。

ahamo 低容量のユーザーはギガライトの方が安くなるため、無理に移る必要はなさそうだ

 一方で、ギガホで容量が大幅に余っていたり、ギガライトで上限に近い容量を使っていたりすると、サポートさえオンラインでよければ、ahamoに移行するのが最適解になる。こうしたユーザーが増えると、ドコモの収益に与えるインパクトは増加する。そのため、ギガホとギガライトも、ahamoの水準に合わせた見直しが必要になる。井伊氏によると、「プレミアと位置付ける既存の料金プランも、5Gの利用促進に向け、シンプルかつお得な新しい料金に変えていく」といい、矢継ぎ早に値下げに打って出るようだ。

ahamo 井伊氏は、既存プランであるギガホやギガライトなどの見直しも表明した

 ただ、ahamoを料金プラン扱いにしたことは、禍根を残すかもしれない。政府がメインブランドでの値下げを強烈に要望していたことを受けてか、ドコモは、サブブランドではなく、あくまで料金プランという体裁にこだわった。プレスリリースからは“ブランド”の4文字を排除する徹底ぶり。発表会では、うっかりブランドと呼んでしまったシーンもあったが、井伊氏は「決してサブブランドありきだったわけではない」と強調する。

ahamo プレスリリースからは、ブランドという文字を完全に排除した

 結果として、オンライン限定というコンセプトは置き去りになり、2980円という金額や、20GBというデータ容量だけが独り歩きしてしまう恐れがある。ドコモのブランドを冠している以上、ドコモショップにサポートを求めるユーザーは必ず出てくる。井伊氏も、「そのようなことは起きうると考えている」と語る。こうしたケースが増えると、ドコモショップにとって重荷になりかねない。井伊氏は「ダメですという対応はない」と語っていたが、そうであれば、店頭サポートの有料化など、何らかの仕組み作りは必要になりそうだ。

 販売する端末が異なることにも疑問が残った。ahamoがサブブランドであれば別だが、同じドコモ内で、選ぶ料金プランによって購入できる端末が分かれてしまうのは、直感的に理解しづらい。もし、iPhoneのような人気モデルがahamoで購入できないとなると、早々に“プラン変更”してしまったユーザーは「だまされた」と感じてしまうはずだ。料金プランによって購入できる端末に差が出てしまうのは、分離プランの原則にも逆行する恐れがある。メインブランドでの値下げを求めた政府の無理難題に対する苦肉の策にも見えたが、そのために理解がしづらくなっているのも事実。ユーザーに対しては、今まで以上に丁寧な説明が求められそうだ。

ahamo ahamo端末をそろえるというが、料金プランによって購入できる端末が異なるのは混乱を招きそうだ
前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月16日 更新
  1. 「Nothing Phone (4a)/(4a) Pro」日本上陸 LEDで個性が光る5万円台からのスマホ、FeliCaにも対応 (2026年04月15日)
  2. なぜ店員によって勧めるルーターが変わる? 自宅回線から逆算する、新生活に役立つWi-Fiルーター選びの超基本 (2026年04月16日)
  3. 値上げのソフトバンクが仕掛ける「PayPayカード ゴールド」シフト、新プラン移行の障壁になる懸念も (2026年04月14日)
  4. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  5. 「OPPO Find N6」は31万円超だが「中国以外では最安」 “におわせ投稿”もおサイフケータイはなぜ非対応? (2026年04月15日)
  6. 世界最薄折りたたみを更新! 限界を目指すHONORの挑戦をSamsungと比較 (2026年04月15日)
  7. OPPO Find N6が「折り目ほぼゼロ」を実現できた理由 “品質に厳しい”日本に投じる自信 (2026年04月14日)
  8. Google Geminiが「あなた個人に適した回答」を “パーソナル インテリジェンス”日本で提供 (2026年04月15日)
  9. 約1万円のソニー製ワイヤレスイヤフォン「WF-C700N5」 ノイキャン対応の小型モデル (2026年04月15日)
  10. 3COINSの4180円「デバイスバンドPlusAL」を試す スマートウォッチの“最初の一歩”に最適な理由 (2026年04月16日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年