―― 一方で、同じ週に、ドコモが20GBで2980円のahamoを発表しました。こちらも5G対応で、近い容量だとmineoより安くなります。これについては、どう受け止めていますか。
福留氏 受け止めを申し上げると、楽天モバイルの新規参入やサブブランドの料金値下げがあり、ドコモのahamo発表と続いたことで、市場には、20GBは3000円程度という新たな指標ができたと見ています。おっしゃる通り、20GBのような大容量帯については、競争がより厳しくなりました。その一方で、低容量帯については、価格競争力や優位性は維持できているという認識です。
実際、mineoのお客さまはほとんどが低容量で、6GB以下のお客さまが95%です。10GB以下になると99%になります。月の平均的な使用量は7GBですが、中央値は3GBで、引き続き低容量帯はお求めいただけるのではないかと考えています。
そうは言いながらも、価格差が縮まってきているのも事実で、他社への乗り換え状況はしっかり見極める必要があります。mineoは、「ファンとの共創」ということで、お客さまの声を聞きながら、欲しいと思っていただけるサービスを提供してきました。その軸は今後もぶれないよう、取り組みを進めてロイヤリティー向上を進めていきたいと考えています。
―― 10GB以上のプランは、戦えるようにしてくのでしょうか。
福留氏 5G時代を見据えると、中容量や高容量のお客さまはより増えていく方向です。そういった方に向けたサービスは、引き続き検討していきます。
―― 5G対応端末は徐々に増えていくというお話でしたが、mineoでも拡充していく予定はありますか。
福留氏 徐々に普及していくと見ていますが、われわれとしてもラインアップは拡充していきます。来春には、5G対応端末を追加する予定で、それ以降もラインアップは拡充します。今はハイエンドだけですが、できるだけ安価にお求めいただけるものは、増やしていきたいと考えています。
MVNOの通信品質が取り沙汰されるのは、加入者の通信が集中する特定の時間の話。通勤時間帯やお昼休みだと、確かに5Gの意味は薄くなってしまうが、それ以外の時間帯なら、5G化することで通信速度は向上する。mineoの実績値を見ると、確かに4Gとの差はある。MVNOにとって、現状の5Gを導入するメリットが全くないというわけではなさそうだ。
一方で、大手キャリア3社とも、現状の5Gエリアはかなり狭い。5Gオプションをつけたからといって、すぐに高速化の恩恵にあずかれると考えない方がいいだろう。生活圏によっては、1日に1回も5Gにつながらない可能性も十分ある。
この点を考えると、料金プランではなく、200円のオプションにしたのは、いい落としどころといえるかもしれない。とはいえ、ドコモのahamoやソフトバンクのように、4Gと5Gで料金差をつけないプランも徐々に増えている。今はオプションで別建てにしているが、いずれは、料金プランに組み込む必要が出てくるかもしれない。
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