ゼロレーティング以外のサービスでも、LINEとの連携を強化する。その1つが、夏に提供を予定する「LINEクリエイターズスタンプ」の無料化だ。LINEは、同サービスのベーシックコースを月額240円で提供しているが、LINEMOのユーザーはこれを無料で利用できるようになる。LINEクリエイターズスタンプは、700万種類以上のスタンプが使い放題になるサービス。LINEでコミュニケーションを取ることが多いユーザーには、うれしい特典かもしれない。
こうした連携からも分かるように、LINEMOのブランドイメージはMVNO時代のLINEモバイルを引き継いでいる。テレビCMには、LINEモバイルと同じ本田翼さんを起用。流れる楽曲のメロディーも同じで、一見しただけでは新サービスのCMとは思えないかもしれない。寺尾氏は、「LINEモバイルの一定の資産は生かした方がいいと思った」と、狙いを語る。LINEは3月に、ソフトバンク傘下でヤフーを運営するZホールディングスと経営統合する予定だが、それぞれのブランドは残す方針。ソフトバンクの下に、ヤフー色を打ち出すY!mobileと、LINE色を打ち出すLINEMOの両翼がそろう格好になる。
一方で、Y!mobileには、キャンペーン時にPayPayの還元率が上がったり、Yahoo!プレミアムが無料になったりといった手厚い“特典”が用意されているのに対し、LINEMOはLINEギガフリーとLINEクリエイターズスタンプの連携にとどまっている。現時点では、Y!mobileとヤフーのように多面的で、お得感のある連携ができていないのも事実だ。
舛田氏が「スタンプだけでなく、コミュニケーションやオンライン、オフラインのサービスをLINEと掛け合わせて、積極的にユーザーの皆さまにお使いいただけるようなことを考えていきたい」と語っていたように、LINEギガフリーやLINEクリエイターズスタンプの無料提供は、あくまで連携の第1弾にすぎない。Zホールディングスとの経営統合完了後に、この点をどう進化せていくのかは、今後の課題だ。
ただ、ヤフーとLINEでは、PayPayとLINE Pay、Yahoo!ニュースとLINE NEWSのように、重複している事業も多い。ブランドを分けたまま内部でシステム統合するのか、どちらかに寄せて片方を廃止するのか、はたまた両方を残すのかといった方針は、経営統合完了後に明らかになる見込みだ。こうした背景もあり、LINEMOのサービス連携には未知数な部分が多い。寺尾氏は「LINEとヤフーを統合する中で、サービスの見直しが行われると思うが、そこには乗っていく。一定の変化があれば、それに合わせて変更する」としていたが、現段階では対応を決めづらかったのが実情といえそうだ。
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