「ドコモでんき」が2022年3月開始 再エネプランでdポイント最大10%還元

» 2021年12月23日 17時25分 公開
[石井徹ITmedia]

 NTTドコモは、新電力サービス「ドコモでんき」を2022年3月1日から提供する。再生可能エネルギーを活用する「ドコモでんきGreen」では、ドコモの回線やdカード GOLDの契約状況に応じて、電力料金から最大10%をdポイントで還元する。

ドコモでんき 2022年3月から提供される「ドコモでんき」

ドコモでんきの料金・サービス内容

 ドコモでんきは、個人向けの電力小売りサービス。地域の電力会社と同等のサービス水準で、電力料金に対してdポイントが還元される点が特徴となっている。

 料金プランは「ドコモでんき Green」と「ドコモでんき Basic」の2種類。ドコモでんき Greenは環境に配慮した料金プランで、再生可能エネルギー比率実質100%を実現しつつ、ポイント還元率も優遇されている。

ドコモでんき 2種類の料金プランを提供する

 ドコモでんき Greenの月額料金は、東京電力などの地域電力会社の「従量電灯」プランに「プラス500円(税込み)」という料金設定。基本のdポイント還元率は3%で、ドコモの回線契約があるユーザーは5%還元、ドコモ回線とdカードGOLDを契約中のユーザーは最大還元率の10%還元となる。つまり、月額支払い額は電力会社の従量サービスより高くなる一方で、利用状況によってポイント還元が得られるという構成だ。

 ドコモでんき Basicは、地域電力会社の従量電灯と同額の料金プランで、dポイントの基本還元率は2%。ドコモ回線契約があれば3%となっている。

ドコモでんき 主力のプラン「ドコモでんき Green」は電力会社の従量電灯プランより月500円上乗せという料金設定
ドコモでんき ドコモ回線とdカードGOLDの契約者であればポイント還元率が10%となる

 なお、他キャリアの電力サービスでは携帯料金とのセット割引が用意されているが、ドコモでんきの特典はdポイント還元率の増額のみとなっており、携帯電話料金のセット割引は提供されない。ポイント還元の対象は電力料金で、還元率2%なら税別100円あたり2ポイント、10%なら10ポイントが還元される。

ドコモでんき 従量電灯と同等水準の「ドコモでんき Basic」も展開
ドコモでんき ahamo契約も還元率増額の対象となる

 ポイント増額の対象となる携帯料金プランは、ドコモが2019年10月から提供しているプランで、「ギガホ」「ギガライト」「ahamo」などが含まれる。ドコモショップで販売される「ドコモのエコノミーMVNO」は割引率増額の対象とならない。

 契約時の初期費用、解約金は無料。料金の支払いは携帯電話の請求方法に準じる。ドコモの回線契約がないユーザーはクレジットカード払いで利用できる。提供エリアは沖縄県と島しょ部を除く全国。

 また、ドコモでんき独自のサービスとして、1日ごと、時間ごとの電力使用量や電力料金、環境貢献度を可視化する専用サイトを提供する。

ドコモでんき スマートメーターで測定した電力の使用状況を分かりやすく表示する専用サイトを提供

事前登録で5000ポイント還元

 ドコモでんきでは、事前登録した契約者にdポイント5000ポイントを還元するキャンペーンを実施する。エントリー期間は2022年1月12日〜2月28日。専用のキャンペーンページからdアカウントでエントリーした上で、4月30日までにドコモでんきに申し込み、開通した契約者が還元対象となる。キャンペーンで付与されるポイントは期間・用途限定タイプのdポイントとなる。

ドコモでんき 事前エントリーで5000ポイントを還元

 ドコモはドコモでんきのサービス開始に合わせて、テレビCMなどのプロモーションを展開。dカードのCMなどに出演した浜辺美波さんがイメージキャラクターを務める。

1年で150万契約、業界ナンバー1を目指す

 携帯電話キャリアとして競合となるKDDIとソフトバンクは、2016年4月の電力小売自由化に合わせて新電力サービスに参入しており、ドコモは6年弱遅れての参入となる。

 ドコモ 執行役員 ビジネスクリエーション部長の三ケ尻哲也氏は「昨今は消費者の環境に対する関心が高まりつつある。ドコモでんきでは再生可能エネルギーを利用するGreenプランを前面に打ち出して訴求していきたい」とアピール。他キャリアに遅れての参入になった経緯については「NTTアノードエナジーを通した電力の供給体制が整ったため、2022年からの参入となった」と述べた。

ドコモでんき NTTアノードエナジーが電力を調達し、ドコモが消費者向けに販売する

 ドコモでんきで携帯電話料金のセット割引を提供せず、dポイントによる還元だけを提供する意図については、「dポイントが非常に好評を博している。ドコモの携帯をお持ちの方にさらなるポイント還元をすることで、メリットを感じていただける」と説明した。ドコモはdカード GOLDの契約者に対して、ドコモの携帯料金やドコモ光の月額料金から10%をdポイントで還元する優遇を用意しており、ドコモでんきGreenの提供により、電力サービスでも同率のポイント還元を実現する形となる。

 ドコモでんきの契約目標については、サービス開始から1年1カ月後の2022年3月末時点で150万契約を、早期に営業収益1000億円規模を目標としている。

ドコモでんき 2023年3月時点で150万契約を目標とする

 携帯キャリアとしての競合他社の電力事業は、KDDIのauでんきが288万契約(2021年3月時点)、ソフトバンクのソフトバンクでんきが売上高1309億円(2021年度)で、ドコモは先行する他キャリアを追う格好となる。

 ドコモはまた、時期を明示せず「新電力ナンバー1を目指す」とも宣言しており、150万契約を突破した後も電力事業を拡大していく方針を示した。

 ドコモではプロモーションにおいては「ドコモでんき Green」を環境に優しい電力サービスとして訴求していく方針を示している。GreenとBasicの契約比率については「Greenプランをドコモでんき契約者のうち最低で2割、うまくいけば3〜4割が選択されるように訴求していきたい」(三ケ尻氏)と方針を示している。

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