AQUOS R7のバッテリー容量は5000mAh。2022年のスマホの中でも最大クラスを搭載している。断続的にWebブラウジングやテザリング、動画視聴などで使いこんでみたが、約3時間の動画再生を含めて11時間ほどは電池が持続した。
カメラはややバッテリー消費が大きいが、3〜4時間ほど写真を撮り続けて40%ほどの消費だった。日帰り旅行でストリートフォトを撮りつつ、帰りの電車でLightroom Mobileに50枚ほどの写真をアップロードして軽く画像編集する程度なら、継ぎ足し充電は不要だろう。
急速充電はUSB PD3.0規格をサポート。ワイヤレス充電のQiにも対応している。
AQUOS R7がSnapdragon 8 Gen 1は、2022年半ばの段階で最高峰のプロセッサだ。メモリ(RAM)も12GB(LPDDR5)と十分なスペックを有している。最新の3Dシューティングゲームのような処理能力が求められるアプリも余裕を持って動作するだろう。Webブラウザのようなアプリでも反応が良く、使っていてストレスを感じることはなかった。
ただし、気になる点がないわけではない。背面の放熱だ。夏の屋外で使っていると、ちょうど手に当たるカメラの下の辺りにじんわりと温かみを感じた。ちょうど手に当たる部分が放熱に使われているため、30分ほど使っていると、手の平に熱がこもる。特にカメラアプリを起動した時は、発熱が多くなる印象だ。
とはいえ、放熱の多さはハイエンドのプロセッサを搭載する端末につきものの問題だ。AQUOS R7の場合は、炎天下ではカメラが多少不安定になることがあったが、ほとんどの場合、動作に影響はなかった。手の平に感じた温かみは、プロセッサや通信モデムの発熱を上手に逃がしているため生じたものだろう。
5Gについては、携帯キャリア側のネットワーク整備の途上にあるため、速度改善の効果が体感できる場所は一部にとどまっている。ただし、4G LTEエリアやWi-FiでもWebサイトなどの読み込みが高速で、ストレスなく使えるため、キャリア側の5Gエリア拡充を待たずとも快適に利用できるだろう。
ここで「20万円近い価格に見合う価値はあるのか」という疑問に答えたい。AQUOS R7には、価格に見合うポテンシャルを秘めている。しかし、そのポテンシャルをフルに使いこなせるのは、独特な1型カメラが肌に合う人だけだろう。
1型のカメラはAQUOS R6から飛躍的に性能が向上しており、カメラUIの使い勝手も大きく改善している。それでも、広角のセンサーに適した被写体は限られている。街中のスナップショットでは素晴らしい写真を撮影できるが、料理などのテーブルフォトには向いていない。また、このカメラは正直言って、かなり人を選ぶ存在だ。
AQUOSスマートフォンは親しみやすく、扱いやすい日本向けのスマホといったイメージがあるが、ことAQUOS R7については、明らかに万人向けではない。もちろん、AQUOS R7もおサイフケータイや防水への対応や、クセの少ないホーム画面など、スマホに求められる基本的な要素は全てカバーしている。パフォーマンスについても、3年間〜4年間以上使っていく上で十分な性能を確保している。
AQUOS R7は万能のフラグシップではあるが、やはり「カメラで選ぶスマホ」だろう。Leica監修の1型カメラはカメラ専用機のように使い込んで初めて真価を発揮する。カメラについては“万能ではない”だけに使い込んでみたいと思えるし、使いこなせれば愛着も沸くだろう。そこには大いなるポテンシャルが秘められている。
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