iPhone 15 Proとの共通項だが、プロセッサには「A17 Pro」を採用しており、パフォーマンスはトップクラスの高さだ。ニューラルエンジンを刷新し、2倍の性能になった恩恵はなかなか分かりづらいものの、GPUなどの処理能力が底上げされているため、ゲームなどのアプリを動かす際にはうってつけの端末といえる。「Geekbench 6」で取ったスコアは以下の通り。iPhone 14 Pro/Pro Maxと比べると、CPUのシングルコア、マルチコアやGPUのMetalスコアは軒並み向上している。
iPhone 15シリーズ全モデルの共通項だが、充電とデータ転送のための端子がUSB Type-C(USB-C)になった点も便利だ。Apple製のMacやiPad(Pro)とはもちろんのこと、Windows PCやAndroidスマホなどともケーブルや一部の周辺機器を共有できる。実際、本稿のための撮影した写真は、iPad Pro用のために購入したmicroSDリーダー経由で読み出し、PCに保存したあと整理しているが、こうした機器の使い回しが簡単にできるのはUSB Type-Cの利点と言っていい。
また、プロモデル2機種は、LOGデータでの動画撮影に対応している。このProResビデオ撮影で最大解像度、最大フレームレートの4K/60fpsに設定した場合、録画するために外部ストレージが必要になる。そのための外部ストレージも、上記のものを使い回せた。他にも、PCの3.5mmイヤフォンジャックから出力した音声をボイスメモで録音できたり、USB Type-C対応の機器を充電できたりと、端子が変わったことでできることが広がっている。10年以上続いたLightningがレガシーになっていたことは事実で、この仕様変更は歓迎できる。
iPhone 15 Proと共通の注意事項だが、付属しているケーブルがUSB 2.0にしか対応していない点は念頭に置いておきたい。この場合の転送速度は480Mbpsで、Lightningを採用していたiPhone 14シリーズまでと同じ。PCなどに撮った写真や動画を転送することが多ければ、ケーブルは買い足しておきたい。ただ、付属するケーブルの仕様がUSB 2.0で本当によかったのかという点には疑問も残る。コストとの兼ね合いはあるにせよ、プロモデルはもともと価格も高い。ユーザー体験を向上させるためにも、ケーブルはUSB 3.2 Gen 2にしてもよかったのではないかと感じた。
個人的には、これまで積極的にPro Maxを選んでこなかった。ディスプレイサイズが大きいのはいいが、ユーザーインタフェースがあまり大画面向きではなく、通常サイズのプロモデルでも機能的に十分だったからだ。むしろ、持ちづらさや重量などのデメリットが目立っていた。一方で、iPhone 15 Pro Maxは軽量化を果たし、課題だった持ちやすさも向上している。カメラ面での機能差もかつてないほど大きくなっているため、検討の価値は高い。これまでのPro Maxに苦手意識があった人にも、ぜひ触ってみてほしい1台といえそうだ。
モデル:竹森みずほ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.