UQ mobileの新料金プラン、あえて「S/M/L」にしなかった理由 「Y!mobileの新料金とも十分戦える」(1/3 ページ)

» 2023年09月26日 12時30分 公開
[石野純也ITmedia]

 6月に料金プランを刷新し、「コミコミプラン」「トクトクプラン」「ミニミニプラン」の3本立てとなったKDDIのUQ mobile。これまではデータ容量別にS/M/Lと選択肢を3つ用意していたのに対し、新料金プランではそれぞれに特色を持たせているのが特徴だ。

 例えば、コミコミプランであれば、割引などは一切なく、10分の音声通話定額もセットになってシンプル。トクトクプランは、データ使用量が1GB以下だった月に割引を受けられる。データ使用量の少ないユーザーに好評だった低容量プランは、データ容量を3GBから4GBに改め、ミニミニプランとして継続した。

UQ mobile 6月から3つの新料金プランを提供しているUQ mobile

 一方で、単純にデータ容量だけで選べばよかった旧料金プランとは異なり、見え方は少々複雑になっている。特にコミコミプランとトクトクプランはデータ容量も近く、ユーザーによっては迷ってしまうこともあるはずだ。また、各種割引適用前の“素の料金”が上がり、その分「自宅セット割」などの割引の比重が増している。割引が適用されれば大幅な値上げにはならないが、この点も新旧比較を難しくしている要素の1つだ。

 中容量でリーズナブルな料金が受け、UQ mobileは順調に契約者数を伸ばしている。新料金プラン発表時点では、800万契約をわずかに下回るところまで拡大。1000万契約を超え、サブブランドとして先行していたY!mobileの背中が見えてきた。では、なぜこのタイミングであえて新料金プランを導入したのか。同社の狙いを、KDDIのパーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部で副統括本部長を務める長谷川渡氏と、パーソナル企画統括本部 パーソナル事業企画部 サービス料金グループでグループリーダーを務める福澤元己氏に聞いた。

20GBプランを強化し、コミコミプランを入れた方がニーズに合う

―― 最初の質問ですが、なぜ6月というタイミングで料金プランを刷新しようと考えたのでしょうか。

UQ mobile KDDIの長谷川渡氏

長谷川氏 実際のデータ利用料が上がってきていることは、実績として捉えていました。ちょっと、これだと窮屈になっている。外でご利用になる場合は大体がセルラーですが、ご自宅で働いてWi-Fiにデータが流れていたというところから、いよいよ変わってきています。前とまったく同じではないのかもしれませんが、コロナ後の生活になっていることはあると思います。

 一方で、他社を見るとドコモのahamoや楽天の「Rakuten最強プラン」があり、1つのプランである程度大容量のところまで使えます。そういったところに対応できるよう、20GBプランを強化し、コミコミプランを入れた方がお客さまのニーズに合うのではいないかと考えたところが(料金プラン改定の)きっかけです。

―― コミコミプランは、旧料金プランの「くりこしプラン +5G」だとプランLに相当するものだと思います。ここを強化しようというお考えだったのでしょうか。

長谷川氏 プランLはデータ容量が25GBと大きかったのですが、他社のプランを見ながら、どういった内容だと強化になるかを考えました。UQ mobileは使いやすいと思っていただけるのかということや、20GBのところをメインにしていきたいということが(念頭に)ありました。いわゆるサブブランドと呼ばれるブランドは、どちらかといえば「小容量で、安い」とカテゴライズされています。ですが、そこでコミコミプランを前面に出すことで、より広く選んでいただけるブランドだと認知していただけるようになればと考えました。

UQ mobile 20GBのデータ容量と10分通話定額込みで月額3278円の「コミコミプラン」

―― もともと、プランLは契約者が少なかったのでしょうか。

長谷川氏 S/M/Lは昔からある松竹梅理論のような話で、実際にやると真ん中や下に寄って、一番上はあまり売れません。もとの比率でいえば、Lは非常に少なかったですね。社内の議論では、3つあっても一番上はそんなに出ないのであれば、分かりやすさを考え、2つにするという話もありました。ただ、そうなるとミニミニプランとトクトクプランだけになってしまい、ちょっと弱い。

 金額的には一番上になるところを、ahamoのような特色のある形にする。Y!mobileとの比較だとS/M/Lを重ねていないため分かりにくいとなってしまうかもしれませんが、あえてまったく同じ3つではなく、少しずつ特色を作るようにしました。そこにお客さまのニーズがあるんじゃないかと思ったからです。

 結果で言えば、コミコミプランは3つあるプランの一番上にもかかわらず、非常にご好評をいただいています。比率でいえば、プランLの何倍という数の方にご選択いただいています。ここの部分に関しては、お客さまからご理解いただけたと考えています。

―― 少し話が横道に逸れてしまうのかもしれませんが、トクトク、コミコミ、ミニミニと2文字を重ねる語感が似すぎていて、たまにどれがどれなのかが分からなくなってしまいます。特にトクトクとコミコミだと、どっちがどっちなのか一瞬分からなくなり、原稿を書いていても混乱することがあります。なぜああいうネーミングになったのでしょうか。

長谷川氏 プラン名は記号と言えば記号なので識別できればいいのですが、お客さまがパッと聞いたときにどんなプランなのかが直感的に分かるのが素晴らしい名前なのだと思います。その意味で、(音声通話も込みの)コミコミと(データ容量が少ない)ミニミニは分かりやすいと思うのですが、真ん中のトクトクについては、全部トクなのに果たしてご理解いただけるのかという議論があったのは確かです。ただ、使わないときにもトク、使ってもトクということや、2文字を重ねる語感が形としてあったので、ネーミングする部門からこれがいいという話になりました。その部門ともいろいろと調整した結果です。

コミコミとトクトク、どちらを選ぶべきか

―― 名前とは別に、コミコミとトクトクはデータ容量も20GBと15GBで近いので、どちらがいいのかが少し分かりづらい気もしています。どういう選び方をすればいいのでしょうか。

長谷川氏 既存のユーザーの方にとっては、新しいご提案として、ミニミニ、トクトク、コミコミというバリエーションを加えた形になります。こうした方は、今(のデータ容量)が窮屈だと思ったら移っていただきたい。その際にahamoのようなプランがいいという方は、コミコミプランをお選びいただければと思います。ただし、今すぐ、急にS/M/Lの旧プランが使えなくなるわけではありません。そのため、緩やかにご自身に合ったものを選んでいただく形でいいと思います。

UQ mobile 15GBのデータ容量で月額3465円、割引後は月額2178円の「トクトクプラン」

―― 結果として、獲得数は増えているのでしょうか。

長谷川氏 おかげさまで、新しい料金プランにはご理解をいただけています。特にコミコミプランに関しては、これまでUQ mobileを選んでいなかった方にも選ばれるようになりました。

―― それは、より具体的に言うとMNPもしっかり取れているということでしょうか。

長谷川氏 そうですね。同時期に他社も動いているので、アップル・トゥ・アップルで比較するのが難しいのですが、他社が動かれたというのは魅力的なものを出している証拠です。そこに対しても十二分に戦えていますし、今回のY!mobileの料金に対しても十分戦えると考えています。

―― ただ、決算説明会では、7月ごろから調子が上がってきたというお話もありました。出足は鈍かったのでしょうか。

長谷川氏 主力の料金プランを3つとも変えてしまったので、垂直立ち上げをしていたのですが、その準備が若干足りませんでした。これは中身が難しいからというよりも、プランが3つとも変わり、これまでのトークが使えなくなってしまったことが大きかったですね。現場の皆さまには苦労を掛けてしまった部分はあります。

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