楽天市場でもAIが活用される。「本イベントにお集まりの皆さん(出店者)にとってもAIは、とても欠かせないものになる」と語る三木谷氏は「商品構成や購買分析など、あらゆる面をAIが支える」と胸を張る。
ただ、AIと一口に言っても、機械学習や深層学習を活用し、データを提示したり、製品の分類を行ったりする従来型のAIから、コンテンツ、文章、画像などを生成できる、2023年のトレンドにもなった生成AIまで、その種類は多い。
例えば、楽天市場に出店する店舗のユースケースでは、ユーザーからの問い合わせの際、生成AIで回答文書候補を作成でき、問い合わせに対して人為的に回答せずに済む。日常の業務や店舗運営上行の分析などもAIで行えるという。
また、購買者と近い特性を持つ見込みの顧客を抽出する作業にもAIなどを活用できるという。例えば、購買傾向、価格趣向、楽天グループサービスの利用傾向など、920項目のファクトデータがあったとして、機械学習とスコアリングにより、これらのデータに合致する見込みの顧客を見つけるのに役立つという。
一方で、三木谷氏は「AIに関する理解度はまだ低い」と危惧する。そのため、「楽天市場におけるAIをどうやって皆さんに分かりやすく伝えていくか――これが一番大きなポイント」という。
そのため、楽天グループは最新モデル「ChatGPT-4」をベースにした楽天に最適化されたAIチャット「RMS AIアシスタント(β版)」を提供する他、AIの一般的な概要やRMS(楽天市場の管理画面)におけるAIアシスタントの活用方法を学べる講座を行う「Rakuten AI大学(仮名)」を近日提供予定だという。
楽天市場の出店者を支援するためにAI活用を本格化する楽天グループ。国内ECの流通総額が6兆円に達したことを明らかにした三木谷氏は、グループとして2030年に10兆円を目指す目標を掲げており、そのためにも「AI活用が欠かせない」と締めた。
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