2024年のMWCに出展されたスマホで注目を集めていたのは、Xiaomiが発表した「Xiaomi 14」シリーズや、サムスンが1月に発表した「Galaxy 24」シリーズなど。今回は「こんなスマホもあるのか!」という変わり種は少なかったように思う。
そんな中で、筆者が個人的に引かれたのは、ZTEが出展していた「nubia Music」だ。3月に日本市場への本格参入を発表した「nubia」ブランドの音楽特化モデルで、背面にDTX:X Ultra対応の大型スピーカーを搭載していることが特徴。一般的なスマホの内蔵スピーカーの約6倍の音量で出力できるという。
実際に音楽を再生して、ボリュームを上げてみると、うるさいと感じるくらいに鳴り響いた。シングルスピーカーだが、厚みのある音質で、ボリュームを上げても音が割れたり、ゆがんだりしなかった。ホームパーティーで音楽を流したり、アウトドアにて大勢で音楽を聴いたりしたいときに適しているだろう。
イヤフォンジャックを2つ搭載していることも特徴だ。カップルで一緒に音楽を聴いたり、映画の音声を聴いたりできるわけだ。ただし、ワイヤレスイヤフォンが普及する中では、時代のニーズに逆行する機能のようにも思えた。
もう1つ筆者が引かれたのが、IIIF150という中国メーカーのタフネススマホ「B2 Ultra」。耐久性をセールスポイントとするスマホ「B2シリーズ」の1つで、6.8型のフルHDディスプレイを搭載し、2億画素カメラを搭載するなど、機能も充実。さらに1万5000mAhの大容量バッテリーを搭載。一般的なスマホの3倍以上の容量で、しかも65Wの急速充電にも対応している。
取材時に価格を聞き忘れたのだが、あとで調べたところ、現在の価格は日本円で3万円台(2023年秋の発売時はもっと高かったようだが)だった。ハードウェアのスペックは高めだが、5Gには対応していないところが安さの理由のようだ。
筆者が5年前までの取材に来ていたMWCでは、斬新な機能はハイエンド端末に搭載され、デザインもとがっていたように記憶している。2024年のMWCでは、ハイエンド端末はカメラやAIの機能を進化させるなどの正常進化を続けて、むしろ、ミッドレンジの機能やデザインの選択肢が広がっているように感じた。買いやすい価格帯で個性的なモデルが増えることは大いに歓迎したい。ぜひ、日本でも発売してほしいものだ。
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