ドコモがAmazonと“dポイント”で提携の背景 楽天やPayPayとの違いはどこにある?:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2024年04月13日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
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足りなかったピースを埋められる提携、低い還元率はビジネスモデルの違いが要因か?

 Amazonにとっては、初の共通ポイント導入という形で、これまで足りなかったピースを埋められた格好だ。アマゾンジャパンのバイスプレジデント プライム・マーケティング事業統括本部長の鈴木浩司氏は、「多くのdアカウントユーザーに対して、魅力的なオファーを提供できる」ことをメリットに挙げる。Amazon自身でも日本独自施策として2007年からポイントサービスを導入していたが、これはサービス内で完結する取り組み。共通ポイント導入により、送客を強化できる。

ドコモとアマゾン 多くのdアカウントユーザーに魅力的なオファーを提供できると語ったアマゾンジャパンの鈴木氏
ドコモとアマゾン ユーザーにお得感を出しやすく、ドコモからの送客も見込めるのがAmazon側にとってのメリットといえる

 鈴木氏は、「お客さまのために何をすべきかから逆算しており、他社がやっているからではない。競合他社が実施しているアクティビティーは、それはそれと考えている」と語っていたものの、Amazonが最大のライバルである楽天グループの楽天ポイントを導入するのは考えづらい。PayPayポイントもいわゆる共通ポイントではなく、PayPayという決済と密接にひも付いている。ユーザー数や流通額などの規模感や、これまでの経緯を踏まえると、dポイントしか選択肢がなかったというのが実情だろう。

 このように見ていくと、Amazonのdポイント対応は、ドコモとAmazon、双方にとって足りないピースを埋め合える取り組みといえる。ドコモは弱点だったECを強化でき、Amazonも他社と同様、共通ポイントの送客効果を見込めるようになるからだ。

ドコモとアマゾン ドコモとAmazonの提携は、双方にとってメリットある取り組みといえそうだ

 一方で、ポイント還元率が楽天市場やYahoo!ショッピングよりも低い水準にとどまっているのも、こうした座組だからといえる。ユーザー視点で見ると、どうしてもインパクトに欠けてしまう部分がある。田原氏は、ポイントの発行原資は「通常の加盟店と同じで加盟店が持つ」と答えていたことから、少なくとも基本となる1%分はAmazon側が負担しているとみられる。

 dポイントの付与が1回5000円以上の注文に限定されていたり、1回につき100ポイントが上限だったりするのは、Amazon側が原資の負担を抑えるためと考えられる。田原氏は、「より多くの方にdポイントをためていただきたいため、5000円以上1%という設定になった」と語っていたが、これは広く薄くdポイントを配布するためだろう。自社や自社グループ内でポイント付与を完結させられる他社との違いといっていい。

ドコモとアマゾン 田原氏は、原資の扱いは通常の加盟店と同じと語る。ただ、Amazonは他社であるがゆえに、楽天モバイルやソフトバンクのような大幅還元がしづらい側面もありそうだ

 その反面、dポイントはネットの加盟店も少なくない。取扱高が大きなサービスとしては「メルカリ」がある他、リクルートの「ホットペッパーグルメ」や「ホットペッパービューティ」「じゃらん」などで予約した店舗や宿泊施設を利用しても、ポイントをためることが可能。Amazonへの対応も、その一環になる。還元率の差には、こうした戦略の違いもありそうだ。

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