日本のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポートの他に、Opensignalはさまざまなレポートを公表している。今回は4つのレポートが紹介された。
1つ目は、ユーザーに最高の体験を提供した世界中のモバイルネットワークを毎年表彰する「Opensignal Global Awards」。2025年のGlobal Awardsでは、large land area group部門で日本の事業者が大健闘した。auは、信頼性エクスペリエンス、ゲームエクスペリエンス、音声アプリエクスペリエンスでGlobal Winnerを受賞。他3キャリアもいくつかの分野でGlobal Leaderを受賞しており、「世界でもトップレベルの通信を誇っている」(ヴィルジコウスキー氏)。
2つ目は東京・山の手線のユーザー体感調査の結果だ。山の手線は「世界で最も混雑している鉄道路線の1つ」(ヴィルジコウスキー氏)であり、何百万人もの通勤客に高速で快適なネットワークを提供するため、山手線周辺に5Gインフラを配備している。
5G利用率はソフトバンクが他社をリード。ソフトバンクユーザーは40%以上の時間を5Gで接続していることを意味する。auも全体的に好成績だ。
大阪・関西万博が開催されている夢洲、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンがある大阪市此花区のネットワーク品質についても公表されている。ダウンロードスピードはソフトバンク、アップロードスピードは楽天モバイルがトップ。また、5G利用率はソフトバンクが約55%と最も高い。ちなみに、「4キャリアとも、此花区における5G利用率のスコアは、全国的な結果と比べて約3倍から4倍高い」(ヴィルジコウスキー氏)という。
4つ目は、5月に発表予定となっている「Rural-urban experience in Japan(日本の都市部と地方部におけるモバイルネットワークの体感の比較)」レポートから一部先出しされたものだ。
地方の方が、都市部より通信速度、信頼性も低い結果となっている。特に低かったのが、ダウンロードスピード、アップロードスピード、信頼性エクスペリエンスだ。また、地方では電波の利用率も低い。電波のない時間(Time with no signal)は、都市部の0.4%に対し、地方では0.9%と2倍以上ある。
また、地方ではモバイル通信の依存度が都市部より高い。Wi-Fi接続時間が地方の方が都市部より大幅に短いことも示されている。
ヴィルジコウスキー氏は、「ドコモは地方で優れていて、auは都市部で非常に優れている」と評した。5月に公開されるレポートで詳細な情報が公表される。
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