2位にはHuaweiの折りたたみスマホ「HUAWEI Pura X」がランクイン。フォールド型、フリップ型とも区別しがたく何とも言えない異端なスマホではあるが、これが使ってみたらものすごく「アリ」だと感じた。
本機種は展開時で6.3型のメインディスプレイ、閉じた状態で3.5型のカバーディスプレイを備える。画面比率は16:10、横幅92mmのスマートフォン。プロセッサは自社設計のKirin 9020の搭載が判明している。
実際に使ってみると、画面の横幅に余裕があるため、動画コンテンツの視聴時は画面上下の余白が少ないメリットがある。地図アプリなども周囲を確認しやすく、コンパクトな端末ながら表示領域の広さは優れている。
筆者はPura Xをかつての「ファブレットの後継」にあたるスマートフォンに近いものと考えている。実際、画面の有効エリアは名機「Xperia Z Ultra」とほぼ同じであり、ベゼルを削って折りたためるようにしたズルトラという表現が最もしっくりくる。
現時点ではこのフォームアクターに追従する機種こそないが、Appleの折りたたみがこの形になるのではないか? との予想もある。そのような意味でも、これからのトレンドを作り、いずれは新しいスマホの形になるかもしれない。そう感じさせられたスマートフォンだ。
2025年のベストバイだったスマートフォンは、サムスンのトライフォールド端末「Galaxy Z TriFold」だ。いわゆる3つ折りスマートフォンはHuaweiが先行したものの、Galaxyは技術誇示だけでなく、実用性を含めた使い勝手にもフォーカスを当ててきた。
筆者はこの機種をいち早く体験、ゲットするために発売直後の韓国 ソウルへ飛んだ。幸い、現地在住の友人に確保してもらい、無事に初回出荷分をゲットできた。
驚くことに、サムスンは初の3つ折りスマートフォンながら、極めて高い完成度に仕上げてきたことだ。特に端末のサイズは現時点で薄型軽量化できる最高レベルと考える。重量309g、最薄部を3.9mmという厚さに仕上げており、手にしてみると「驚異的」という言葉しか出てこない。300gの10型タブレットと考えたらライバル不在の独壇場である。
ソフトウェアはスマートフォンとタブレット端末のハイブリッド構成が適切。展開時は10型サイズの大画面でWebサイト閲覧や動画視聴が可能であり、スマートフォンよりもタブレットの要素が強い。
同社初の単独で「Samsung DeX」が利用できるスマートフォンでもある。DeXではアプリをタブウィンドウとして表示できるため、Bluetoothマウスやキーボードを用いると、スマートフォンながらPCのように利用できる。
また、スマートフォンの画面を3つ並べた表示にできることも魅力だ。動画コンテンツの同時視聴、ゲームの同時周回などがとってもはかどり時短にもなった。ある意味でタイパに優れるコンテンツ消費が可能な端末だと実感した。
これはタブレット端末ではできず、3つのアプリを柔軟に配置できるフォールド端末向けのOne UIのおかげだと痛感した。
Galaxy Z TriFoldには先進的な機能が多く詰め込まれているだけであって、価格は韓国向けで359万400ウォンと日本円で約38万円の設定。発売日当日には徹夜して購入する猛者もおり、海外では本体価格の2倍以上の価格で転売される活況な状況だった。
さて、ここまで振り返ってみたが、2025年も順当に進化を遂げる「カメラスマホ」の衝撃を上回る出来事が多くあった。
特に1位のGalaxy Z TriFoldはHuaweiの「Mate XT」に次ぐ3つ折りスマートフォンということもあり、スマートフォンサイズでのトリプルタスク起動など、他の折りたたみスマホの体験を超えてくる存在だった。
2025年は2位、3位も折りたたみスマホを選出した。Pura Xは新しい折りたたみスマホの形を創出し、Galaxy Z Fold7はフォールドタイプにおける「これからのスタンダード」を再定義したような軽量、薄型スマホだった。
そんな折りたたみスマートフォンが豊作だった2025年。Galaxy Z Fold7以外にもIP68防水防塵を達成した「Pixel 10 Pro Fold」、廉価路線では17万円台の「nubia Fold」も登場した。
中国勢では、驚異的な軽量化と高性能を両立した折りたたみスマートフォン「vivo X Fold 5」「HONOR Magic V5」「OPPO Find N5」がトレンドをけん引。特に閉じたときの厚さが8mm台に突入したトップバッターのOPPO Find N5は、日本未投入ながら大きく注目された。Huaweiも3つ折りスマホのマイナーチェンジモデル「Mate XTs」を市場投入するなど、初めて3つ折りスマホが「競合する」年となった。
4位のOPPO K13 Turbo Proはミッドレンジらしいとがり方と、潔いくらいの割り切りが印象的だった。4万円という価格のスマホでパフォーマンス重視に振り切り、超広角カメラやワイヤレス充電などの便利機能を廃してまで空冷ファンを取り付けた点は面白い。OnePlusではなく、OPPOから登場するなど異端な存在であった。
5位のrealme GT8 Proはカメラスマホの中でも特段性能が高い方ではないものの、リコーとのコラボレーションは筆者的にもアツいと思った要素。スペックだけならXiaomi 15 Ultra、vivo X200 Ultra、OPPO Find X8 Ultraといったカメラスマホが強かったが、印象的だったという意味ではrealmeだ。
この他、無難ながら完成度の高かったGalaxy S25 Ultra、サブディスプレイが特徴の「Nothing Phone (3)」、薄型化した新しいジャンルのデバイスとして「Galaxy S25 Edge」や「iPhone Air」も印象的だった。
2026年のスマートフォンはバッテリーのさらなる進化が進むと考える。特にバックグラウンドでAI処理が走る昨今のスマートフォンではバッテリー容量は多いに越したことはない。そのような背景もあり、2025年では6500〜7000mAhクラスの機種が標準になっている。「HONOR Win」のように通常サイズのスマートフォンで1万mAhクラスの機種も予告されている。
日本でも6.6型で7025mAhのバッテリーを採用したOPPO Find X9が発売されたが、このクラスが基準になると考える。高密度バッテリーを採用したことで本体重量の軽量化、スペースの有効活用によってカメラ性能の向上を果たすことができている。
この流れに対して多くのメーカーが「大容量化」へ歩みを進めている。AI機能を多く使う近年のスマートフォンではバッテリー容量を増やさずに電池持ちを向上させることは難しい。そのため、大容量バッテリーによる進化は必須トレンドとして注目したい。
ここに挙げた以外にも、Xiaomiの自社設計プロセッサやスマホの薄型化など多くの「進化」や「変化」が起こった2025年。今回例に挙げた端末のみならず、2026年以降もスマートフォンにまつわる進化と変化の動向を注視したい。
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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