PCを使っていくうえで忘れてはならないのが、システムやHDDなど諸々のメンテナンスだ。トラブル発生ですべて再インストール、なんて考えただけでもめまいがするし、そうでなくてもシステムはできるだけクリーンな状態のほうが、安定してサクサク動いてくれる。
Windowsだと、HDDのエラーチェックやディスクの最適化(デフラグ)、ディスクのクリーンアップ(不要ファイルの削除)といった基本メンテ機能はシステムに用意されている。逆に言えば、標準で用意されているそれらの機能を定期的に実行しておけば、最低限のメンテナンスはできているということだ。
それでは、Macにもそういったシステム標準の“最低限のメンテ機能”はあるのだろうか?
もちろんある。Macでこれに該当するのは、ディスクユーティリティに用意されている「アクセス権を検証・修復」「ディスクを検証・修復」の2つ。それらを定期的に実行して問題がなければ、あるいは問題が発見されてもそれが修復できれば、最低限のメンテナンスはクリアだ。
しかし、このディスクユーティリティには弱点がある。システムの起動元になっているHDD(起動ボリューム)には「ディスクの修復」を行えないのだ。
え、じゃあ起動ボリュームを修復したいときにはどうすればいいの?
方法は2つある。まず1つは、MacをシステムのインストールDVD-ROMで起動し、DVD-ROM上のディスクユーティリティで修復する方法。ただしこの場合は、DVD-ROMからの起動に時間がかかるのが難点だ。
2つめは、Macをシングルユーザーモードで起動し、UNIXのメンテナンスコマンドを入力して修復する方法。こちらは「UNIXコマンドってなんだか難しそう」と感じてしまう方がいるかもしれない。もっとも、ほかにどうしようもないので、どちらかの方法は覚えておく必要がある。おすすめはDVD-ROMが不要で軽快に作業できる後者だ。実際、やってみるとそれほど難しくもない。
ユーザーが行うべき基本的なメンテナンスの機能はこれらだけだ。少なすぎてちょっと不安かもしれないが、実はシステムが自動で自己メンテを行ってくれていたりするようなので、心配しなくていい。
しかし「念には念を入れてしっかりとしたメンテナンスを自分で行っておきたい」というユーザーもいるはず。そんな方には「Onyx」などの、フリーで配布されているメンテナンスユーティリティがおすすめだ。基本メンテに加えて、いくつかのUNIXメンテナンスコマンドの実行や、不要になったシステム一時ファイルの削除などを一括して行える。
最後に“デフラグ”(ディスクの最適化)についてだが、Mac OS Xはファイルの断片化を起こしにくく、そして多少の断片化が発生してもその影響を大きくは受けないよう設計されているため、特にデフラグの必要はないらしい。Mac OS X用のデフラグツールとして「iDefrag」といったものもあるが、基本的にノーメンテでOKだろう。
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