ここからは、ベンチマークテストから性能を読み取っていこう。Windows Vistaが搭載するWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、グラフィックスが3.4、ゲーム用グラフィックスが3.6と3点台にとどまったが、プロセッサ、メモリ、プライマリハードディスクについては5点台と良好な成績をマークした。ゲームなどグラフィックス機能を酷使する用途を除けば、快適な使い勝手が得られると予想できる。
PCMark05の総合スコアは4097と、ノートPCとしては優秀といえる値だ。結果をさらに詳しく見ていくと、CPUテストは5248、Memoryテストは4712と、メインマシンとして十分な適正を持つスコアを獲得している。やはり、Graphicテストのスコアはふるわないが、チップセット内蔵グラフィックス機能を採用していることを考えれば納得できる。より高性能なグラフィックス機能が必要ならば、VAIOオーナーメードモデルでGeForce 9300M GSを搭載した構成を選択するといいだろう。
グラフィックス性能のテスト結果は、3DMark06が1024×768ドット表示の設定で856、フルスクリーンとなる1280×800ドット表示の設定で789と、チップセット内蔵グラフィックコアなりのスコアといえる。また、Final Fantasy XIオフィシャルベンチマークソフト 3のスコアも低解像度モードで2612、高解像度モードで1651と、スペックから見て妥当な結果に落ち着いた。店頭販売モデルに関しては、3Dゲームを快適に楽しむには力不足と考えるべきだろう。
なお、起動中の騒音に関してだが、アイドリング状態ならば無音に近い静粛性が得られた。一方、CPUやグラフィックス機能に負荷がかかると、負荷の状態に合わせてファンが頻繁に回転数を変更させる設定となっており、音量が細かく変化する点は少々耳障りに感じた(ただし、ノイズの音量自体はさほど大きくはなかった)。
そのぶん、本体の発熱は抑えられ、システム全般に負荷のかかるベンチマークテストの実行中でも、キーボード面の左半分がわずかに温まる程度にとどまり、不快なほどに熱を帯びることはなかった。
PC市場は成熟し、いまやプライベートルームで日常的に利用するノートPCを選ぶ際に、デザイン性が基本性能と並んで重要な要素になってきている。ユーザーの好みに合わせてボディのカラーを選択でき、さらに周辺機器に至るまでデザインの統一を図れるVAIO type Cの新モデルは、ソニーが多様化するユーザーのニーズにきめ細かく応えた1つの好例といえるだろう。
最新プラットフォームの採用により、基本性能もメインマシンとして不足はなく、満足度の高い買い物になることが容易に予想できる。
実売価格は本体が15万5000円前後と求めやすく設定されているほか、Bluetoothレーザーマウスとマウスパッドを同梱したアクセサリーキットが8000円前後、アクティブスピーカーシステムが7000円前後と、周辺機器を一式取りそろえても17万円程度におさまる。デザインを大きな訴求ポイントに据えるVAIO type Cだけに、どうせ買うなら周辺機器を含む1セットでの導入をおすすめしたい。
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