“華麗なるミニノート”――ASUS「Eee PC S101」の真価を問う(中編)分解して内部に潜入(2/2 ページ)

» 2008年11月17日 12時35分 公開
[前橋豪,ITmedia]
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集積度がアップしたマザーボードは放熱や騒音の工夫も

 マザーボードはボディの横幅いっぱいに配置されており、キーボードユニットとほぼ同じサイズだ。突起部を除くサイズは252×93ミリ、重量は約107グラムだった。トップカバーを開くと全面をマザーボードが覆っていた従来機に比べて、集積度が上がり、かなり基板が小型化されている。

 CPU、チップセット、1基のメモリスロット、SSDと無線LANモジュールを装着する2基のMini PCI Expressスロット、SDメモリーカードスロット(SDHC対応)はすべて本体の底面側に配置され、キーボードやパームレストに熱が伝わりにくい構造になっているのが印象的だ。その半面、底面が発熱しやすいことが予想される(温度の検証は後編で行う)。

ボディから取り外したマザーボード(写真=左)。主要なチップやスロットはすべて本体の底面側にある(写真=右)

基板上の保護シールやクーラーを外した状態。底面側の基板中央にCPUとノースブリッジが縦に並んでおり、この辺りが発熱しやすい

 CPUとチップセットのノースブリッジはヒートパイプとファンが付いたクーラーで冷やされ、本体の背面から温風を排気する仕組みだ。901-Xや1000H-Xは排気口が左側面にあったが、これが背面に移され、ファンの騒音やエアフローをユーザーに意識させにくい構造となった。

CPUとノースブリッジをまとめて冷やすクーラー(写真=左)。搭載されていた無線LANモジュールとメモリモジュール(写真=中央)。無線LANモジュールはASUSのグループ会社である台湾AzureWave Technologies製の「AW-NE771」で、IEEE802.11b/g/n(11nはドラフト2.0準拠)に対応する。無線LANチップはAtheros CommunicationsのAR9281だった。1GバイトのメインメモリはHynix製のPC2-5300対応SO-DIMMモジュールだ。Bluetoothモジュールは、AzureWave Technologies製の「AW-BT253」を右側面の手前に内蔵している(写真=右)

 Mini PCI Expressカード型のSSDはサイズが約32×70ミリで、901-XのDドライブと同じサイズとなっており、BIOSやデバイスマネージャでは「ASUS-JM S41 SSD」と表示される。カードにはJMicron Technology製のコントローラ「JMF601」と、Samusng製のMLC NAND型フラッシュメモリ8つが搭載されていた。

SSDにはSamsung製のMLC NAND型フラッシュメモリ「K9GAG08U0M-PCB0」を合計8チップ搭載。コントローラはJMicron Technology製の「JMF601」だ

 ここで気になるのが、901-XのDドライブやサードパーティがオプションとして用意しているSSDがS101で使えるかどうかだが、手元にあったバッファローの32GバイトSSD「SHD-EP9M32G」を装着したところ、問題なく認識された。ただし、S101に標準搭載されたSSDと比較して、パフォーマンスが劣るため、今後より高速なSSDのオプションが登場しない限り、うま味は少ないだろう。一方、S101のSSDを901-XのDドライブと交換して装着した場合も認識され、利用することができた(BIOSが最新版の場合)。

 ちなみに、Mini PCI Expressカード型のSSDはデルの「Inspiron Mini 9」も採用するが、こちらはS101のSSDよりカードのサイズが小さく、ネジ穴の位置が異なる。

901-Xより内部デバイスの拡張性は減ったが利便性は向上

 S101のマザーボードは、901-XのマザーボードにあったDドライブ用のMini PCI Expressカードスロットをはじめ、5ミリ厚1.8インチHDDが収納できるスペースとZIFコネクタも省かれている(ZIFコネクタは901-Xの新ロットでも省かれている状況)。本体の薄型軽量化を重視し、余計なものは一切省いたわけだが、SSDへのアクセスには完全な分解が必要なこともあり、購入後にユーザーがカスタマイズできる余地は901-Xより減った。この点を残念に思うユーザーもいることだろう。

 もっとも、901-Xでストレージ構成に手を加えるユーザーが少なからず存在したのは、合計12GバイトのSSDが4GバイトのCドライブと8GバイトのDドライブという変則的な構成で提供されており、容量不足の問題がつきまとっていたことが大きい。

 S101では16GバイトのSSDがすべてCドライブに割り当てられたため、容量に余裕が生まれ、901-Xのようにカスタマイズの必要に迫られるケースは確実に減っている。無料で使えるオンラインストレージの容量も901-Xの20Gバイトから60Gバイトに増えており、これとSDメモリーカードスロット(SDHC)を活用すれば、一般的な用途でCドライブが深刻な容量不足に陥ることは少ないだろう。


 予定ではパフォーマンスやバッテリー駆動時間の検証も今回行うはずだったが、かなり長くなってしまうため、今回はここまでとする。最終回となる後編では、パフォーマンス、バッテリー駆動時間、温度、騒音といったテストを行い、S101のきらびやかなボディに隠された真の実力を明らかにしていきたい。後編はこちら

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