年末はジーンズのように気取らないシンプルノート「VAIO type N」を狙う直販モデルは5万9800円から(2/2 ページ)

» 2008年12月25日 11時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]
前のページへ 1|2       

エントリークラスとしては必要十分なディスプレイとキーボード

15.4型ワイドの光沢液晶を採用

 15.4型ワイド液晶ディスプレイはラッチレスデザインとなっていて、開いたときにも液晶パネルの回りが大変すっきりとしている。ディスプレイの種類は、光沢仕様の「クリアブラックLE」液晶だ。上位シリーズが搭載するクリアブラック液晶(リッチカラー)と見比べると、色域が狭く、画面への映り込みも目立つ。しかし、これはあくまでVAIOノートの中での格付けだ。

 エントリークラスのノートPCとして見た場合、輝度とコントラストは十分確保されていて、視認性に不満はない。画面サイズが15.4型と大きい割に、解像度が1280×800ドットと低めなので、年配の人でも見やすいだろう。おまけに、キーボードの「Fn」と「F10」の同時押しで画面を拡大し、細かい文字などを読みやすくする「ドキュメントズーム」機能も持つ。

 キーボードの周辺部もディスプレイと同様に余計な装飾がないデザインだ。上部にステレオスピーカーが内蔵されたメッシュグリル、右上に電源ボタン、LEDランプ、「AV MODE」ボタン、消音ボタンのみが配置されている。

キーボードは余裕があるサイズで入力しやすい

 キーボードは、キーピッチが約19ミリ、キーストロークが約2.5ミリの88キーを備える。なお、モバイルノートPCを中心に2008年夏モデルより積極的に採用されているアイソレーションキーボードではなく、キー同士が密接した従来タイプのキーボードだが、スタンダードなキー配置と筐体の大きさを生かした余裕あるサイズのスクエアキーのおかげで、使いやすさは上々だ。

 ポインティングデバイスはVAIOノートでおなじみのインテリジェントタッチパッドだ。従来同様にシンプルな仕様で、流行のマルチタップ機能などは実装されていないが、パッド面が大きくゆったりと操作でき、左右のボタンも押しやすい。なお、タッチパッドの右側にはFeliCaポートが内蔵されている。

Centrino 2の採用によりパフォーマンスは良好

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 新プラットフォームの採用でパフォーマンスがどの程度向上したのかは注目すべきポイントだ。今回のベンチマークテストでは、下位モデルとなるダークブルーの「VGN-NS50B/L」を試用したが、Windowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアは、強化された内蔵グラフィックスの性能を反映して、まずまずの水準といえる3.4となった。

 しかし、そのほかのコンポーネントは軒並み5を上回る良好なスコアを記録している。ドキュメントの作成やDVD-Videoの再生、Webブラウジングといった通常の操作において、動作のもたつきが気になることはまずない。

 グラフィックス性能についても、3DMark06、Final Fantasy XI Official Benchmark 3ともに控えめなスコアながら、ライトなゲームならば動作させられるだけの性能は備えている。また、基本性能が向上したことの副作用としてありがちな、高い負荷がかかる作業を行う際にキーボードやパームレストが過熱したり、排気ファンの音が耳につくということもなくなった。

左からPCMark05、3DMark06、FF XIベンチ3のテスト結果

安価なオールインワンノートを求める幅広いユーザーへ

 VAIO type Nは、ライトユーザーや2台目以降のサブマシンを求めるユーザーをターゲットにしながらも、基本的な操作を行うのに十分なパフォーマンスとOffice Personal 2007を備えていて、購入後に何も手を加えることなく快適に利用できる、抜かりのない仕上がりになっている。また、プレーンながらも安っぽさを感じさせない上品なデザインも大きな魅力だ。

 例年の傾向から年明けに登場すると思われる春モデルを前にして、価格がぐっと下がっているのも見逃せない。量販店での実売価格は、市販のBlu-ray Discコンテンツを再生できる上位モデルのVGN-NS70B/Wが13万円弱(登場時は16万円前後)、下位モデルのVGN-NS50B/W・Lは11万円弱(登場時は15万円前後)まで下がっていて、さらに直販モデルのVGN-NS90HSであれば5万9800円(Officeなしの最小構成)から購入できる。

 このようにコストパフォーマンスが上昇したこともあり、モバイルを考えていないならば、Netbookより買い得感が高い部分も少なくない。必要な機能だけを無駄なくまとめたオールインワン型ホームノートを探している人に、文句なくおすすめの製品だ。

今回試用したVAIO type N VGN-NS50B/Lの仕様
実売価格 11万円前後
CPU Core 2 Duo P8400(2.26GHz)
BIOS AMI
チップセット Intel GM45 Express
2次キャッシュ 3Mバイト
メインメモリ PC2-6400 2Gバイト(1Gバイト×2)/最大4Gバイト
メモリスロット(空き) SO-DIMM×2(0)
HDD Serial ATA 250Gバイト(5400rpm)
評価機のHDD Samsung HM160HI
光学ドライブ DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ
評価機の光学ドライブ Optiarc AD-7910S
液晶ディスプレイ 15.4型ワイドクリアブラックLE液晶
画面解像度 1280×800ドット
グラフィックスチップ チップセット内蔵(Intel GMA 4500MHD)
グラフィックスメモリ メインメモリと共用
サウンドチップ Intel HDオーディオ
カードスロット ExpressCard/34×1、メモリースティックPRO×1、SDメモリーカード(SDHC対応)×1
スピーカー ステレオ
光デジタル音声出力
USB USB 2.0×4(右側面:2、左側面:2)
IEEE1394 4ピン×1(左側面)
ビデオ出力 D-Sub 15ピン×1(左側面)
サウンド入出力 ヘッドフォン(左側面)、マイク(左側面)
有線LAN 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n(11nはドラフト準拠)
Bluetooth
FAXモデム 56kbps
Webカメラ
FeliCaポート 搭載
セキュリティチップ(TPM)
指紋センサー
キーボード 日本語88キー(キーピッチ約19ミリ、キーストローク約2.5ミリ)
マウス インテリジェントタッチパッド
外形寸法(幅×奥行き×高さ) 360×270×31.4〜38ミリ
重量 約2.9キロ
バッテリー駆動時間 約3時間
搭載OS Windows Vista Home Premium(SP1)
主な付属品 電源ケーブル、ACアダプタ、マニュアルなど

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー