XPになって値下がりした超小型PC「LOOX U」を味わう(後編):Netbookに飽き足らない人へ(1/2 ページ)

» 2009年02月24日 15時30分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

基本スペックは先代機をほぼ継承するが、削られた部分も……

「FMV-BIBLO LOOX U/C30」のデザインは既存のモデルと同じだが、OSにWindows Vista Home Premium(SP1)ではなく、Windows XP Home Edition(SP3)を採用している

 富士通が放つ「FMV-BIBLO LOOX U」の2009年春モデルは、OSにWindows XP Home Edition(SP3)を採用することで、軽快な操作感と高いコストパフォーマンスを実現した期待のUMPCだ。PC USERでは前後編に分けて、エントリーモデルの「LOOX U/C30」を検証している。レビューの前編では、小型軽量のボディをはじめ、工夫された入力環境と高精細な小型ワイド液晶ディスプレイ、OSの変更による影響をチェックした。後編では、U/C30の実力をより深く検証していく。

 LOOX Uの2009年春モデルは店頭向け製品が2モデル展開となったことで、下位機のU/C30は、全体的に先代機の「LOOX U/B50」よりスペックダウンした。同社直販サイトのWEB MARTではスペックをカスタマイズしてのオーダーも可能だが、CPUの選択によって構成が大きく制限されるため、カスタマイズの幅はあまり広くない。ボディカラーや追加のオプション以外は基本的に店頭向けの2モデルのどちらかと似た構成となる。

 基本システムは、Atom Z500シリーズ(開発コードネーム=Silverthorne)を中心とする、MID(Mobile Internet Device=携帯インターネット端末)向けのプラットフォームを採用している。CPUは動作クロックが1.33GHzのAtom Z520だ。上位モデルの「LOOX U/C40」および先代機のAtom Z530(1.6GHz)よりも動作クロックが低い廉価版だが、512Kバイトの2次キャッシュ容量でTDP 2ワット(Hyper-Threading有効時2.2ワット)というスペックは変わらない。

 チップセットはIntel SCH(System Controller Hub)と呼ばれるノースブリッジ(GMCH)とサウスブリッジ(ICH)の機能を1チップに統合した「US15W」だ。グラフィックスコアもこれに統合されている。CPUとチップセットの合計TDPは4.5ワットと、Netbookに使われるAtom N270のシステム(Intel 945GSE+ICH7-M)に比べて3.5ワット低い。

 メインメモリはDDR2-SDRAM(PC2-4200)に対応し、容量は1Gバイトをオンボードで搭載している。汎用のメモリスロットはなく、CPU、チップセットも含めて同じ基板上に実装したモジュールとして提供されているため、増設はできない。ストレージには回転速度4200rpmの1.8インチHDDを採用しており、容量は60Gバイトだ。WEB MARTでは120GバイトのHDDも選べる。

7本のネジで固定された背面のカバーを開くと、Ultra ATA/100の1.8インチHDDやファン、Mini PCI Expressスロットが露出する

 内蔵HDDには底面のカバーを外すだけで簡単にアクセスできるが、変換コネクタを介してZIFコネクタタイプの1.8インチHDDを接続しているため、交換できるHDD/SSDの選択肢は多くない。最新モデルながらSerial ATAインタフェースのHDDを採用していないのは、US15WチップセットのインタフェースがIDEのみのサポートで、Serial ATAに対応していないためだ。

 グラフィックス機能はチップセット内蔵のIntel GMA 500(DirectX 9対応)を利用する。このGMA 500はH.264/MPEG-2/MPEG-4/VC-1など主要コーデックのハードウェアデコードに対応するが、この機能を利用するにはソフトウェアの対応が必要であり、過度な期待は禁物だ。ニコニコ動画やYouTubeなどインターネット動画サービスにおけるFlashコンテンツの再生ではアクセラレーションが効かないため、SD解像度のコンテンツならば特に問題なく再生できるが、H.264エンコードの高画質コンテンツなどではコマ落ちすることもある。

 標準装備の端子類はさすがに少ない。SDメモリーカードスロット(SDHC対応)のほかにCF TypeIIスロットを搭載する一方、USB 2.0ポートは1基しかない。通信機能は、100BASE-TXの有線LAN、IEEE802.11b/g/n(11nはドラフト2.0)の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRに対応するが、有線LANを使用するにはオプションの専用コネクタ(アナログRGB出力端子兼用)もしくはポートリプリケータが必要だ。

前面にはオプションの有線LAN/アナログRGB出力変換コネクタを接続する専用端子、各種インジケータを備えている(写真=左)。背面はバッテリーパックで占有されている(写真=右)

左側面にヘッドフォン、マイク、SDメモリーカードスロット(SDHC対応)、音量ダイヤル、盗難防止用ロック取り付け穴、ストラップホルダーを搭載する(写真=左)。右側面にワイヤレス通信用スイッチ、TypeIIのCFカードスロット、ACアダプタ接続用のDC入力が配置されている(写真=右)

 ちなみに、先代機が備えていたWebカメラ、デジタルマイク、FMトランスミッター、IEEE802.11aも使える無線LAN、辞典・辞書ソフト各種といった機能はU/C40のみが装備し、U/C30では省かれている。WEB MARTでもCPUにAtom Z520を選ぶと、WebカメラやFMトランスミッター、辞典・辞書ソフト各種は搭載されない。逆にドコモのFOMA HIGH-SPEED対応ワイヤレスWAN機能が選べるのはCPUがAtom Z520の場合のみだ。また、WEB MARTでSSD(64Gバイト)とワンセグチューナーが選択できるのは、Vistaモデル(先代機の継続販売)に限られる。

デバイスマネージャの画面。搭載されていた1.8インチHDDは東芝のMK6028GAL(60Gバイト/5ミリ厚/ZIFコネクタ)だった

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