XPになって値下がりした超小型PC「LOOX U」を味わう(後編)Netbookに飽き足らない人へ(2/2 ページ)

» 2009年02月24日 15時30分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]
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ベンチマークテストに現れない快適さは“XP”ならでは

 ここからはベンチマークテストでU/C30の実力を検証していこう。しかし、今回入手した機材では一部3Dグラフィックス系のテストが動作しなかったため、限定的にしかテストプログラムを完了することができなかった。取得できたスコアは先代機に準じた結果となっている。CPUクロックが1.6GHzから1.33GHzに下がった差と、OSがVistaからXPに変わったことで相殺されている印象だ。

左がPCMark05、右がFF XIベンチの結果

 もっとも、体感的な差はベンチマークテストとはまったく異なる印象で、多少のクロック差などは問題なく、OSがXPに変わった「動作の軽さ」のメリットが歴然だ。Atom Z520、メモリ1Gバイト、1.8インチHDDというスペックのU/C30は、Atom N270(1.6GHz)を搭載したNetbookと比べるとCPUのクロックやHDDが1.8インチという点で見劣りしており、ソフトのインストール時などにパワー不足を実感することがある。しかし、平常時のレスポンスはU/C30でも快適といってよいレベルにあり、何をするにもモタつきを感じたVistaモデルとは比較にならない。

「省電力ユーティリティ」は、標準ではバッテリー残量が少なくなったときにどうしても延命したい場合の緊急避難的な設定となっている

 バッテリー駆動時間のテストは、海人氏のBBench 1.01で行った。高速無線LAN(IEEE802.11nドラフト2.0)で常時接続し、20秒ごとにキー押下、2分ごとにWebページを開く(10サイト巡回)という設定を使用し、電源設定は「ポータブル/ラップトップ」で、バッテリー駆動中の液晶ディスプレイの輝度は8段階中4番目に暗く設定した。省電力モードは利用していない。

 この設定でのバッテリー駆動時間は2時間47分だった。約6時間という公称値の半分以下だったが、テスト内容と20ワットアワーというバッテリー容量を考えれば、妥当なところだろうか。より長時間のバッテリー駆動時間を確保したい場合は、省電力モード時の設定を一括して指定できる「省電力ユーティリティ」を見直すのもいいだろう。さらに容量が2倍のバッテリーパックLがあれば、常時通信環境でも安心してモバイルできるはずだ。

静音性と放熱性はなかなか健闘

底面のバッテリー装着部の手前にスリットがあり、ここから背面の斜め下方向に排気される

 騒音や発熱の印象は悪くない。ボディの底面に搭載されるファンは温度で制御しているようで、アイドル時には回らない。システムへの負荷にもそれほど敏感ではなく、通常のWebブラウズなどちょっとした負荷ならば回らないままで、HDDのシーク音が少し気になるくらいだ。

 動画を再生したり、継続して負荷をかけているとファンは回り出すが、その場合の音はそれなりに大きい。暗騒音31dB(A)の環境で本体から5センチと近距離に騒音計を置いて測定したところ、ファン回転時の音は41〜45dB(A)だった。

 発熱に関しては底面の中央付近、F4キーの裏辺りが最も熱く、室温23度の環境で放射温度計の表示が42度前後だった。キーボードは左半分は30〜33度だが、右半分は36〜40度と温度が少し高い。タブレットスタイルで片手持ちし、動画を再生していると次第に熱を帯びてくるのが分かるが、キーボードに関してはパームレストがなく、べったりと手をつく部分がないので、温度の数字ほど熱は感じない。

現時点のUMPCとして究極に近い存在か!?

 先代機のLOOX U/B50は、約565グラムの超小型軽量ボディに視認性のよい小型ワイド液晶ディスプレイと、机上でも立ったままでも使える完成度の高い入力環境を備えた、UMPCとして魅力ある製品だった。唯一にして大きな弱点は、プリインストールOSが“動作の重い”Windows Vista Home Premium(SP1)であったため、それが今回“動作の軽い”Windows XP Home Edition(SP3)へ変更されたことは極めて大きい。

 Vista搭載のTablet PCに慣れているとタッチパネル関連の機能に多少の不自由さは感じるものの、レスポンスの大幅な改善はそれを補って余りあるメリットといえるだろう。実際、電車内などで使うUMPCとしては現時点で究極の存在に近いと感じる。個人的には前編で述べたように液晶ディスプレイと手書き入力ソフトの改良を望みたいが、今のままでも十分にすばらしい製品ではあることは間違いない。

 さらに付け加えておきたいのが、Netbookに十分対抗できるコストパフォーマンスの高さだ。前編の冒頭で述べた通り、WEB MARTで2009年3月4日まで実施しているキャンペーンを適用すれば、LOOX Uのカスタムメイドモデルが6万5436円から購入できる。これまでLOOX Uの携帯性にはひかれるが、Netbookと比べて割高感があると思っていた人は、この機会に検討してみるといいだろう。

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