4月29日、カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店でユーザーイベント「AMDグリーンの真髄」が開かれた。会場には、登場したばかりの「Phenom II X4 955 Black Edition」を搭載したデモ機や、同じく登場して間もない「RADEON HD 4770」搭載カードなどがところ狭しと並ぶ。店内は常に大入り状態で、多数の自作ユーザーでにぎわっていた。
イベントタイトルの「グリーン」には、AMDのイメージカラーや省電力性からくるエコなどの意味が込められている。日本AMDの“兄貴”こと土居憲太郎氏は「みどり日に開催するからというのが一番大きかったんですけど、よく調べたら今日(4月29日)は昭和の日なんですよね。タイトルが決まった後に気づいたので焦りました」と舞台裏のエピソードで笑いをとっていた。
主役のPhenom II X4 955 Black Editionについて、土居氏は「Phenom IIがリリースされてから、比較的早く3.0GHz超えできました。ただ、単に最上位というだけでなく、アイドル時の消費電力が低いのもポイントです」と、“グリーン”たる省電力性能について言及した。
セッションでは、Phenom II X4 940+RADEON HD 4870と、Phenom II X4 955 Black Edition+RADEON HD 4890の新旧最強構成で高負荷時とアイドル時の消費電力テストの結果を公開。高負荷時はともに256ワットだったが、アイドル時は現最強構成が139ワットと、旧最強構成に比べて7ワット低い値となっていた。「CPUやGPUを常にフル稼働するわけではないので、アイドル時の消費電力が低いと、トータルで使う電力がかなりカットできると思います。そういう意味で、AMDのハイエンドは、ただ単に性能が高いだけでなく省電力にもなってきていると言えます」と強調した。
Phenom II X4 955 Black Editionのもう1つの魅力であるオーバークロック耐性の高さについては、オーバークロックワークスのセッションで言及された。同ショップの渡辺氏は「Phenom II X4 955 Black EditionはDDR3メモリへの対応も重要なポイントになります」と、DDR3メモリのオーバークロック法について解説した。「AMD 790FX/GX系マザーでは、1333MHzのクロックを1600MHzに引き上げることが割と簡単にできます。ここからさらに1800MHzや2000MHzまで高めて安定させるにはFSBのクロックアップや電圧設定の引き上げ、さらにメモリのタイミング設定が重要です。特にメモリのタイミングはAutoのままでは非常に遅い設定になるので、メモリの仕様どおりの数値に設定しておくことが肝心です」と語る。
また、同店では5月3日に、オーバークロック大会を実施する。CPUハイクロックとメモリクロック、オンボードグラフィックス、ベンチスコアの4部門を用意し、機材提供による一般参加も歓迎するという。司会の佐藤氏は「世界的なランカーも参加するようです。もしかしたら、世界記録を塗り替える瞬間に立ち会えるかもしれません」と紹介。そのほか、6GHzにクロックアップしたPhenom II X4 955 Black Editionで3DMark06を走らせるデモも計画している。
そのほか、市川ソフトラボラトリーが最新のRAW現像ソフト「SILKYPIX」によるデモを実施。最新バージョンは、2〜3年前のバージョンに比べて1.6倍以上の処理能力を備えており、旧バージョンをAthlon X2 6000+で動かした際の処理速度に比べて、620%の速度アップ(最新バージョンをPhenom II X4 955 Black Editionで動かした場合)を実現できるとコメント。同社は「CPUの性能を100%使えるようにチューニングしているので、Phenom II X4 955 Black Editionの能力をフルに発揮できます」とアピールした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.