“紳士”こと森本竜英氏が3月末に退職したため、「GPUは、まだちょっと苦手ですが……」としながらも、RADEON HD 4890/4770の解説も土居氏が担当した。RADEON HD 4890については「Phenom II X4 955 Black Editionもそうですが、こちらも単なるハイエンドではなく、アイドル時の消費電力が低くなっています。“ただRADEON HD 4870をクロックアップしただけだろ”という声も聞きますが、そうではないんですね」と解説。RADEON HD 4770は「業界初の40ナノメートルで製造されたモデルで、ミドルレンジながらGDDR5メモリを採用しているのが特徴です」と語った。


各社のRADEON HD 4890/4770搭載カードを一堂に展示していた(写真=左)。RADEON HD 4890は、画面中央の4870に比べてアイドル時の消費電力が30ワット低い60ワットになっているのも特徴(写真=中央)。最新の製品ポジショニング(写真=右)そして、AMDイベントの恒例となっている土居氏のCPUロードマップ解説は、「いつもと趣を変えて、私がよく聞かれる3つの質問に答える形で進めたいと思います」とのことで、ピンポイントの将来展望を解説した。
1つめは、サーバ向けの6コアCPU「Istanbul」をデスクトップPCで出さないかという質問だ。「可能性はゼロではありません。ただ、製造コストの問題や、各ソフトウェアメーカーさまの対応の問題もあるので、今のところは予定はありません」と回答。2つめの「低消費電力のPhenom IIは登場するの?」という問いについては、「実はセッション中にヒントを出していました。Phenom II X4 955 Black Editionの動作クロック別消費電力を解説したくだりですが、2.1GHz動作なら68.9ワットになります。だから、TDP65ワット前後のモデルなら登場するかもしれませんね」。また、最後に用意した新しいチップセットの登場時期についての質問は「今年後半には確実に出します」と明言していた。
最後は、これも登場したばかりのコードネーム「KUMA」の最上位モデル「Athlon X2 7850」の紹介だった。プレゼン資料には「4コア化って話もありますしネ」と書かれていた。過去にも、トリプルコアのPhenom II X3の初期ロットが一部のマザーボードでクアッドコア化できるとウワサになったが、これらの裏技について土居氏は「狙ったわけではないのですが、元祖Phenom向きに施したACC(Advanced Clock Calibration)をAutoにすることでクアッド化するものがあったようですね。Athlon X2 7850についても、初期ロットはPhenomシリーズと同じダイを使っているので、そうした裏技ができたようです。今後は専用のダイに移行するので、やはり初期ロットならではの出来事といえますね」と語った。
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