4月上旬に登場したRADEON HD 4890カードと対抗するように、NVIDIAの新GPU「GeForce GTX 275」搭載カードが少しずつ出回りはじめた。先陣を切ったPalit製に続き、いくつかのショップにInnoVISION製カードも入荷している。オーバークロックモデル「Inno3D N275-1DDD-H3IYX」が3万1500円前後で、通常モデル「Inno3D N275-1DDD-H3IY」は2万9000円前後だ。在庫はどちらも少数。
3万円前後の価格帯ながらパフォーマンスが高く、発売前から注目を集めていたが、まだ売れ行きには結びついていない様子だ。ドスパラ秋葉原本店は「ハイエンド志向の方はシングルコア最上位のGTX 285を選びますし、まだラインアップが少ないこともあって様子見する人が多いようです」と語る。
また、対RADEON HD 4890カードとの勝敗については「どちらもぼちぼち売れている感じで、引き分け」との声が多かったが、一部ではRADEON HD 4890カードが若干リードしているとのコメントもあった。
パソコンショップ・アークは「GTX 275は発熱量が最大219ワットと高いのがネックです。これから夏になるのに熱さが問題になるカードは敬遠する人が多いんじゃないでしょうか。これが冬ならまだヒットしていた可能性はあるんですけどね。一方のRADEON HD 4890カードはハイエンドとしては消費電力が低いので、待っていた人が抵抗なく購入されている印象です」と話していた。
発熱に厳しい季節柄か、上記の3万円GPUカード対決以上に注目を集めているのがダウンクロックしたGeForce 9600 GT搭載カードだ。3月末から出回りはじめたGALAXYの「GF P96GT-LP/512D3/LOW POWER」に続き、ZOTACからも「GeForce 9600 GT Eco」が登場。価格は1万円弱で、在庫は潤沢だ。
GF P96GT-LP/512D3/LOW POWERは電力を最大40%低下させることで補助電源を省き、ロープロファイルサイズまで基板をコンパクトにしている。一方のGeForce 9600 GT Ecoも補助電源が省かれているのが特徴だ。
BLESS秋葉原本店は「補助電源不要でそこそこハイスペックなカードが挿せると好評です。電源ユニットを替えずに増設しやすい点が受けているようですね」と語る。ただ、「単にダウンクロックしたバリエーションを出しただけという気もします。エコや省電力といった言葉に踊らされている感も多少はありますが……とにかく、売れていることは確かです」(某ショップ)といった見方もあった。
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