クアッドコア、1TバイトHDD、BDドライブ搭載で10万円切りのスリムタワーPC――「HP Pavilion Desktop PC v7860jp/CT」を駆るPhenom II X4で突き抜けろ(1/3 ページ)

» 2009年05月19日 16時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

AMDの最新クアッドコアCPU「Phenom II X4」を採用したスリムタワーPC

「HP Pavilion Desktop PC v7860jp/CT」

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のコンシューマー向けデスクトップPC「HP Pavilion Desktop PC v7000」シリーズは、スリムボディを採用した省スペースな製品で、インテルとAMD、それぞれのプラットフォームを採用した2モデルがラインアップされている。今回取り上げる「HP Pavilion Desktop PC v7860jp/CT」は、AMDプラットフォームを採用した最新モデルで、CPUにPhenom II X4を選べるのが大きな特徴だ。

 AMDのPhenom II X4は、名前が示すようにPhenom X4の後継かつ上位ブランドである。内部の基本構造はPhenom X4から引き継いでいるが、プロセスルールが65ナノメートルから45ナノメートルに微細化されたことで動作クロックの高速化が可能になり、消費電力も抑えられた。さらに3次キャッシュの容量も増えて性能が向上している。省電力機能のCool'n'Quiet 3.0では、従来のCool'n'Quiet 2.0よりも細かく動作クロックと電圧を変化できるうえ、最低の動作クロックと電圧を下げることで低負荷から中負荷時の消費電力を下げている。

 v7860jp/CTでは、Phenom II X4 925(2.8GHz/3次キャッシュ6Mバイト)と、Phenom II X4 840(2.6GHz/3次キャッシュ4Mバイト)の2種類がBTOで選べる。いずれもTDP(熱設計消費電力)は95ワットである。そのほか、同シリーズはPhenom X4 9750(2.4GHz/3次キャッシュ2Mバイト)を搭載するPhenom X4モデル、デュアルコアのAthlon X2 4850e(2.5GHz)、Athlon X2 5600+(2.9GHz)から選べるAthlon X2モデルも用意されている。

CPU-Z 1.50の情報表示画面。左が高負荷時、右がアイドル時だ。開発コード名の「Deneb」はじめ、45ナノメートルの製造プロセスルール、2次キャッシュ2Mバイト(512Kバイト×4)、3次キャッシュ6Mバイトなどの仕様が確認できる。右のアイドル時では、省電力機能のCool'n'Quiet 3.0によって、動作クロックが800MHzまで下がり、Core VIDが0.3ボルト下がっている

v7000シリーズおなじみのスタイリッシュなスリムボディ

 スリムタワー型のボディは、歴代のv7000シリーズと共通化されている。ピアノブラックのフロントマスクを採用したニュートラルでシンプルなデザインは、書斎でもリビングでも違和感なくなじむだろう。スタンドを利用した縦置き専用ボディで、スタンドを含めたサイズは152(幅)×397(奥行き)×359(高さ)ミリとなり、容積では約22リットル弱となる。

 フロントマスクの底面手前に青色LEDによる電源ランプがあり、ダイヤルで光量調整が可能だ。向かって左下のカバー内に15種類のメモリカードの読み書きに対応する15in1メディアスロット、右下のカバー内にUSB 2.0×2、IEEE1394a(6ピン)、ヘッドフォン、マイク端子といった頻繁に機器を着脱することが多い端子を装備する。光学ドライブも左上のカバー内に隠れているので、未使用時の前面に余計なものは一切なく、すっきりしていて見栄えがいい。

前面のカバーの下には、光学ドライブ、15in1メディアスロット、USB 2.0×2、IEEE1394a(6ピン)、ヘッドフォン、マイク端子を用意する(写真=左)。サイドパネルを外した様子(写真=中央)。内部の配線はきちんと整理され、CPUやグラフィックスカードのヒートシンク周辺には放熱用のスペースが確保されている。そのほかの端子は背面に配置するほか、ロープロファイル仕様のPCI Express x16対応グラフィックスカードを1枚、PCI Express x1対応の拡張カードを3枚装着可能だ(写真=右)。電源ユニットの容量は300ワットとなっている

 サイドカバーは背面のネジ1本で固定されており、内部へ簡単にアクセスできる。マザーボードの一部にかぶっているドライブベイは外側にスイングして開くため、コンパクトなボディながらメンテナンス性は良好だ。ドライブベイの構成は、5インチ、3.5インチ、3.5インチシャドウベイが各1基ずつで、出荷状態ですべて搭載済みとなっている。拡張スロットは4基が利用可能だが、すべてロープロファイル仕様に限られる。

 システムの中核となるマザーボードは、NVIDIAのGeForce 9100チップセットを搭載したmicroATXフォームファクタの製品で、ボード上にはモデル名と思われる「M2N78-LA」というシルク印刷がある。DIMMスロットはDDR2用を4基、拡張スロットは、PCI Express x16スロットが1基、PCI Express x1が3基という構成だ。スリムタワー型PCのマザーボードとしては、十分な拡張性がある。

マザーボードの一部を覆う前面のドライブベイは外側にスイングして開く構造で、光学ドライブ用5インチベイの下にHDD用3.5インチベイが設けられている(写真=左/中央)。GeForce 9100チップセットを採用したmicroATXフォームファクタのマザーボードは、CPU用のSocket AM3、PC2-6400対応DIMMスロットを4基、PCI Express x16スロットを1基、PCI Express x1を4基、Serial ATAポートを4基実装している(写真=右)

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