“Lynnfield”PCと“P55”マザーボードが集結──インテルが訴求するLynnfieldの性能

» 2009年09月08日 17時43分 公開
[長浜和也,ITmedia]

求めやすい価格帯で高い付加価値を実現するLynnfield

 説明会に登場したインテル代表取締役社長の吉田和正氏は、冒頭で日本の経済状況を取り上げ、「依然として厳しい状況が続いているが、徐々に回復する兆しを見せている」としたうえで、「こういう状況にあってコンシューマーPCの購入で重要なのは製品の価格で、求めやすい価格帯の製品に高い付加価値を加え、ユーザーのやりたいことを高いユーザービリティで実現できる製品を提供しなければならない」とした。

 吉田氏は、今回発表したLynnfieldが、「これまでハイエンドPCやサーバ向けだったNehalemで用意された高い付加価値を普及価格帯で提供するCPU」と説明。コンシューマーPC市場でも、画像や動画の再生、編集用途で高い性能が普及価格帯のPCで必要になると指摘し、LynnfieldのCore i7-860の性能がCore 2 Quad Q9650と比較してHDビデオのエンコードで17%、3Dレンダリングで15%、ゲームの物理演算やAI処理で56%向上することをアピールした。

メインストリームでも高い性能が求められるコンシューマーPCで普及価格帯のNehalemを投入する(写真=左)。Core i7-860ではCore 2 Quad Q9650の15〜17%、ゲーム用においては56%もの性能向上が確認された(写真=右)

 インテル技術本部技術部長の秋庭正之氏も、Lynnfieldを「Nehalemをメインストリームで使えるようにした」と表現し、Lynnfieldに実装された機能を紹介した。Lynnfieldでは「インテル ターボ・ブースト・テクノロジー」「インテル ハイパー・スレッディング・テクノロジー」「インテル スマート・キャッシュ」が特に取り上げられたほか(それぞれの機能と性能における効果については、Nehalemの機能をメインストリームで──Core i7-870とCore i5-750の“突発”性能を楽しむを参照のこと)、Lynnfieldに対応するチップセットとして登場したIntel P55 Expressについても、CPUとチップセットで従来3チップ構成だったのが、LynnfieldとIntel P55 Expressでは、CPUとチップセットが2チップで構成されることが示された。

Intel P55 Expressの特徴(写真=左)とIntel 4シリーズと比較したIntel P55 Expressプラットフォームの構成の違い(写真=右)

 つづいて秋庭氏は、インテル ターボ・ブースト・テクノロジーによるパフォーマンス向上について説明を行い、会場に用意されたCore i5-750システムとCore 2 Quad Q9650のシステムで、Super PIを実行させてCore i5-750でクロックが上乗せされる状況や、ハイパー・スレッド・テクノロジーが利用できるCore i7-870がCore 2 Quad Q9650の半分の時間でトランスコード処理を終了できることが示された。

 最後に吉田氏は、9月7日の深夜に行われたLynnfield販売開始の状況を「多くのユーザーに集まっていただき、大きな期待を感じることができた」と紹介し、「ノートPC向けのNehalemシステムを今月中に発表したい」と述べた(深夜販売の状況は新型CPU&マザーの深夜販売に約150人、ただし「Windows 7の予行練習? みたいな」を参照のこと)。

トランスコード処理をCore 2 Quad Q9650とCore i5-750で同時に行うデモ。左がCore 2 Quad Q9650で右がCore i5-750。Core i5-750ではインテル ターボ・ブースト・テクノロジーが有効になって、動作クロックが3.2GHzまで上がっている(写真=左)。インテルマーケティング本部本部長の江田麻季子氏が、LynnFieldのプロモーションについて紹介。特設キャンペーンサイトでは、1971年に登場した「4004」から始まるCPUの歴史を紹介するページや、ユーザーが自分でロボットをカスタマイズして、ほかのユーザーと対戦できる「アシタロボ」などのコンテンツが用意される。また、9月12日の12時から19時にはベルサール秋葉原で「Intel Technology Day in Akiba 2009」が行われ、吉田氏や米Intelの幹部が参加する予定だ(写真=右)(記事掲載当初、4004の表記が間違っていました。おわびして訂正いたします)

説明会場に集結した“Lynnfield”搭載PCと“P55”マザーボード

 会場には、LynnfieldとIntel P55 Expressを採用したデクストップPCと、Intel P55 Express搭載のマザーボードが展示されていた。ここでは、それらを画像で紹介しよう。それぞれの製品の詳細は、PC USERで掲載される紹介記事を参照していただきたい。

Lynnfield採用デスクトップPC

アプライドの「CV-I87013P1000」は、Core i7-860とGeForce 9800 GTを採用。標準構成で1TバイトのHDDと2Gバイトのメモリを搭載する
エプソンダイレクトの「Endeavor MR6500」は、Core i7-870、同860、Core i5-750から選択可能。GPUもGeForce 9500 GT、Radeon HD 4850、FirePro V3750から選択する。標準構成で250GバイトのHDDと1Gバイトのメモリを搭載する
クレバリーの「COORDY'S G-Maximum GM5」は、Core i7-870とGeForce GTX 260を採用。標準構成で1TバイトのHDDと4Gバイトのメモリを搭載する

サードウェーブ(ドスパラ)の「Prime Galleria XF」は、Core i7-860とGeForce GTX 285を採用。標準構成で1TバイトのHDDと4Gバイトのメモリを搭載する
サイコムの「G-Master Lance」は、Core i7-860、Core i5-750から選択、GPUはGeForce GTS 250を採用。標準構成で640GバイトのHDDと2Gバイトのメモリを搭載する
デルの「Studio XPS 8000」は、Core i7-870、同860、Core i5-750から選択できるほか、GPUもGeForceシリーズから選べる。標準構成で500GバイトのHDDと4Gバイトのメモリを搭載する

ブレスの「VIGOR S7 VS7-860P5」は、Core i7-860とGeForce 9800 GTを採用。標準構成で80GバイトのSSDと1TバイトのHDD、4Gバイトのメモリを搭載する。
ProjectWhite(ツクモ)の「eX.computer AeroStream RA7J-C14/V」は、Core i7-860とGeForce GTS 250を採用。標準構成で640GバイトのHDDと4Gバイトのメモリを搭載する
マウスコンピューターの「LUV MACHINES i470BC」は、Core i5-750とRadeon HD 4350を採用。標準構成で750GバイトのHDDと2Gバイトのメモリを搭載する

マウスコンピューターの「NEXTGEAR L600XV1-WS64」は、Core i7-860とGeForce GTX 275を採用。標準構成で1TバイトのHDDと8Gバイトのメモリを搭載する
ユニットコム(ツートップ)の「ViP i7860P55/GTS250」は、Core i7-860とGeForce GTS 250を採用。標準構成で1TバイトのHDDと4Gバイトのメモリを搭載する

ユニットコム(パソコン工房)の「Amphis MT800iCi7 TYPE-SR」は、Core i7-860とGeForce 9400 GTを採用。標準構成で500GバイトのHDDと4Gバイトのメモリを搭載する
ユニットコム(フェイス)の「Seed i57500XN/DVR」は、Core i5-750とGeForce 9800 GTを採用。標準構成で500GバイトのHDDと4Gバイトのメモリを搭載する

Intel P55 Express搭載マザーボード

ASUSの「Maximus III Formula」
ギガバイトの「GA-P55-UD6」

ECSの「P55H-A」
インテルの「DP55KG」

Foxconnの「Inferno Katana」
MSIの「P55-GD65」

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