説明会に登場したインテル代表取締役社長の吉田和正氏は、冒頭で日本の経済状況を取り上げ、「依然として厳しい状況が続いているが、徐々に回復する兆しを見せている」としたうえで、「こういう状況にあってコンシューマーPCの購入で重要なのは製品の価格で、求めやすい価格帯の製品に高い付加価値を加え、ユーザーのやりたいことを高いユーザービリティで実現できる製品を提供しなければならない」とした。
吉田氏は、今回発表したLynnfieldが、「これまでハイエンドPCやサーバ向けだったNehalemで用意された高い付加価値を普及価格帯で提供するCPU」と説明。コンシューマーPC市場でも、画像や動画の再生、編集用途で高い性能が普及価格帯のPCで必要になると指摘し、LynnfieldのCore i7-860の性能がCore 2 Quad Q9650と比較してHDビデオのエンコードで17%、3Dレンダリングで15%、ゲームの物理演算やAI処理で56%向上することをアピールした。
インテル技術本部技術部長の秋庭正之氏も、Lynnfieldを「Nehalemをメインストリームで使えるようにした」と表現し、Lynnfieldに実装された機能を紹介した。Lynnfieldでは「インテル ターボ・ブースト・テクノロジー」「インテル ハイパー・スレッディング・テクノロジー」「インテル スマート・キャッシュ」が特に取り上げられたほか(それぞれの機能と性能における効果については、Nehalemの機能をメインストリームで──Core i7-870とCore i5-750の“突発”性能を楽しむを参照のこと)、Lynnfieldに対応するチップセットとして登場したIntel P55 Expressについても、CPUとチップセットで従来3チップ構成だったのが、LynnfieldとIntel P55 Expressでは、CPUとチップセットが2チップで構成されることが示された。
つづいて秋庭氏は、インテル ターボ・ブースト・テクノロジーによるパフォーマンス向上について説明を行い、会場に用意されたCore i5-750システムとCore 2 Quad Q9650のシステムで、Super PIを実行させてCore i5-750でクロックが上乗せされる状況や、ハイパー・スレッド・テクノロジーが利用できるCore i7-870がCore 2 Quad Q9650の半分の時間でトランスコード処理を終了できることが示された。
最後に吉田氏は、9月7日の深夜に行われたLynnfield販売開始の状況を「多くのユーザーに集まっていただき、大きな期待を感じることができた」と紹介し、「ノートPC向けのNehalemシステムを今月中に発表したい」と述べた(深夜販売の状況は新型CPU&マザーの深夜販売に約150人、ただし「Windows 7の予行練習? みたいな」を参照のこと)。
会場には、LynnfieldとIntel P55 Expressを採用したデクストップPCと、Intel P55 Express搭載のマザーボードが展示されていた。ここでは、それらを画像で紹介しよう。それぞれの製品の詳細は、PC USERで掲載される紹介記事を参照していただきたい。
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