このほか、タイプVSはこの薄型ボディながらも3基のUSB 2.0とSDメモリーカードスロットなど、実はそこそこの拡張性も確保する。
モバイル利用で何を接続するかを考えると、おそらくUSB接続型のデータ通信端末やマウス程度であり、たまにUSBメモリや光学ドライブを使用するくらいだ。3基のUSBポートはボディの左右と背面と分かれて実装するので、互いが干渉してどれか1つが使えなかった──という心配もない。なお、ビジネスPCにおいてはUSBメモリなどをセキュリティキーとして使用する企業もあると思われるが、それを考慮してもUSB 2.0が3基あれば、ほぼ困らない。
SDメモリーカードスロットは、プライベートの利用以外に現場報告や資料作成などにてデジカメの写真を扱う場合など、ビジネスシーンにおいても利用頻度は意外に高い。最近のノートPCはメモリカードリーダーくらいはたいてい標準搭載しているだろうが、写真データを扱うためにUSB接続型のメモリカードリーダーを別途携帯していたなら、その利便性を格段に高められる。
通信機能は、外出先などで用いるIEEE 802.11b/g準拠の無線LANに加え、オフィス内において、より高速に通信できる1000BASE-T対応有線LANもきちんと内蔵する。VersaPro UltraLite タイプVCのようなHSUPAワイヤレスWAN内蔵モデル、あるいはモバイルWiMAX内蔵モデルは残念ながら用意がないものの、USB接続型の通信モジュールの導入で対応できる。
タイプVSは、B5サイズのモバイルノートPCと同等となる1280×768ドット表示に対応する10.6型ワイド液晶ディスプレイや64GバイトのSSDなど、“Netbook以上”の仕様が特徴だが、CPUのAtom Z540(1.86GHz)や1Gバイト固定のメインメモリなど、そのパフォーマンスはNetbookとほぼ同等だ。そのため、これ1台ですべてをまかなえるPCではなく、万人に受け入れられるスペックを兼ね備えたPCでもない。
ただ、ビジネスPCは“業務に使用するため”の仕事道具である。道具はそれを使って専念する作業のために存在するもの。こう考えると、常にPCを携帯するビジネスユーザーに対して「薄さと軽さ、堅実性」を追求したタイプVSは、優れた仕事道具としてオフィス業務にかみ合っていることが分かる。「業務に専念するためのPC」として、ユーザーの作業をユーザーの意識なしにしっかりサポートしてくれることだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.