Windows 7搭載PCをマウスコンピューターで選ぶ理由社長さんに聞く

» 2009年12月03日 16時00分 公開
[ITmedia]

 Windows 7の好調な初期セールスを伝えるニュースが各メディアで報じられている。PC業界の動向に目を向けると、Nehalemアーキテクチャをメインストリーム価格帯に広げる新型「Core i7/i5」(Lynnfield)やDirectX 11世代のGPUも登場しており、PC USERの読者の中にはPCの買い替えを検討している人も多いことだろう。確かに、Windows 7にあわせてPCごと最新システムに移行するなら今がまさに絶好のタイミングと言える。もちろん、PCメーカーにとってもWindows 7の好調は、落ち込んだPCの販売をプラスに転じるチャンスだ。そこで今回、最新パーツをいち早く採用することで定評のある国内PCメーカー「マウスコンピューター」の代表取締役社長、小松永門氏にWindows 7に向けた取り組みを聞いた。

Windows Vistaを振り返って

マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門氏

――2年前、Windows Vistaの発売からすぐのころに1度インタビューをさせていただきました。最初から答えづらい質問かもしれませんが、振り返ってみてWindows VistaはPCメーカーにとってどういうOSだったのでしょうか?

小松氏 (笑)。AeroといったUIや使い勝手、先進的なセキュリティといったOSとしての骨格は、今回のWindows 7に踏襲されていることからも分かるように、しっかりと作られていたと思います。ただ、やはりWindows XPの互換性の部分や非常に高いハードウェア性能を要求するといった点で、経済環境が厳しくなりつつあった状況とあわせて、市場のニーズとの若干のかい離はあったのかなと感じています。

――そして今回のWindows 7ですが。

小松氏 ええ、Windows 7では前回のVistaで課題となった部分をきちんと改善して、さらにより洗練させる形で仕上がっています。非常によいOSだと思います。

――Vistaの不評とWindows 7への期待から、Windows 7の発売直前は買い控えの影響があったと思いますが、実際はどうでしたか?

小松氏 数字を見るとなかなか評価は難しいのですが……もともと8月〜9月はPCの売れ行きが鈍る時期で、10月以降の秋冬モデルを待つ時期と重なるため、OS自体の買い控えの影響に関してはっきりしたことは言えないのですが、やはり若干の影響はあったかなという印象です。ただ、私たちはWindows 7への無料アップグレードなどを展開していたので、手数料や送料などがかかるほかの国内PCメーカーの状況と比べれば、買い控えの影響は少ないほうだったと想像しています。

――そんな中、待望のWindows 7が発売され、パッケージの販売も好調のようです。Windows 7搭載PCの売れ行きはどうでしょう?

小松氏 そうですね、実際に売れています。(Windows 7搭載PCの予約が始まった)10月18日以降、PCの受注が非常に伸びて、一気に冬のピーク時に近い数字になっています。この時期にしてはかなりよい売れ行きだと思います。

マルチタッチ対応液晶ディスプレイやCULVノートを投入

――Windows 7の登場で製品ラインアップはどのように変わりましたか?

注目のCULVノートPC市場にも参入した

小松氏 基本的に今まで展開していたラインアップはすべてWindows 7へ移行しています。その中でポイントになってくるのがWindows 7の新しい機能、マルチタッチ対応の製品ですとか、今後のトレンドになっていくと予想されるCULV版CPUを採用したノートPCなどですね。

 CULVノートPCでは、やはりこれまでのNetbookではいろいろな制限があって使いづらいというユーザーさんもいらっしゃいますので、価格帯としてNetbookにプラス1万円でより快適なコンピューティング環境を提供しよう、というのがコンセプトです(関連記事:5万円台でCULVノートに参戦――マウスコンピューター「LuvBook L300」を試す)。また、今回のタイミングではノートPCを強化しておりまして、モバイル向けCore i7を搭載したノートPCなども拡充しています。特にCore i7に関してはほかの国内メーカーの採用例がないので、より高い性能を求めるユーザーに対してパフォーマンス面でも強みがあると思っています。

 さらにハイエンドモデルでは、ゲーミングPCブランドの「G-Tune」でもWindows 7にあわせて新製品を投入し、こちらも数が出ています。面白いのは64ビット版Windows 7が好調な点で、G-Tuneでは64ビット=メモリ8Gバイト以上という構成が通常になっていますね。Windows 7で64ビットへの移行が一気に進んだ印象です。

豊富なラインアップを持つマウスコンピューター。Core i7などの最新システムも用意している。すべてのラインアップでWindows 7搭載PCに移行した

――国内PCメーカーのデスクトップPCを見ると、主流は液晶一体型PCになっていますが、このカテゴリの製品はありますか?

同社傘下のiiyamaブランドから、Windows 7のマルチタッチに対応した液晶ディスプレイも投入している。小松氏が実際にデモをしてくれた

小松氏 一体型も用意しています。ただ、こちらはWindows 7を意識した製品ではなく、ユーザー層を広げるために低価格を意識したPCです。いわゆる“Nettop”で、採用しているCPUはAtom、液晶ディスプレイのサイズも18.5型でマルチタッチ対応ではありません(関連記事:マウスコンピューター、約5万円の18.5型ワイド液晶一体型PC「Lm-One191Q」)。一方、マルチタッチ対応液晶で言えば、弊社のiiyamaブランドで「ProLite T2250MTS-B」を用意しています(関連リンク:同社が公開している動画デモ)。

――このほか、PCメーカーから見たWindows 7の魅力をお聞かせください

小松氏 OSの処理速度が速いといった点はもちろんですが、自分のやりたいことを直感的に操作できる点が魅力だと思います。ウィンドウをシェイクすると整理できたり、端に寄せるとウィンドウが自動的に並ぶといったようなユーザーインタフェースの部分ですね。また、新機能で言えば将来的にPCの使い方を変えるという点で、やはりマルチタッチは非常に大きいと思います。加えて、日本市場に限って言えば、2011年にアナログ停波がありますから、Windows Media Centerでデジタルテレビ機能に標準対応したのもポイントでしょう。実際にWindows 7以後は地デジ搭載モデルへの問い合わせも増えている状況です(関連記事:“セブン”で地デジで省スペース! 6万円台でこれだけそろう「Lm-iS400S-AM」)。

小松氏 弊社の製品はPCの基本的な性能や完成度といった部分はもちろんですが、ここ2年間を振り返ってみても、サービスやサポート体制も非常に充実し、顧客満足度調査の結果にも出ているように、購入して安心して使っていただける体制ができていると自負しています。また、新しい技術をできるだけ早く採用する点や、BTOで必要な構成を選択できる点は、“自分でやりたいことが分かっているユーザー”には非常に魅力的だと思います。今後も幅広いラインアップを用意し、「PCメーカーと言えば?」という質問に必ずマウスコンピューターの名前が挙がるよう、成長していきたいと思います。


 国内PCメーカーが店頭向けに販売する2009年秋冬モデルを見ると、Core i7/i5をはじめとする最新アーキテクチャを採用したPCはほとんど皆無と言ってよく、PCを自作するのでなければ選択肢は非常に限られているのが現状だ。また、今後の主流になると思われるCULVノートPCについても、国内メーカーは価格競争力で海外勢に大きく水を空けられている印象を受ける。

 そんな状況の中、マウスコンピューターはWindows 7搭載モデルとして、CULVノートPCからゲーミングPCまでユーザーのニーズに最大限応えうる幅広いラインアップを用意し、コストパフォーマンスの面でも非常に魅力的な製品をそろえてきた。また、12月中旬以降にBTOメニューに追加される予定のマルチタッチ対応液晶ディスプレイを組み合わせれば、セパレート型のデスクトップPCでも手軽にWindows 7の注目機能を体験できる。Windows 7を機にPCを新規購入しようと考えているユーザーは、検討候補にぜひマウスコンピューターを加えておきたい。

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