NASと外付けHDDの大きな違いは、共有フォルダ、ユーザー、グループの管理だろう。外付けHDDの場合は基本的に1人で使用するため、すべての領域を誰でもアクセス可能にしておくことが一般的だが、NASの場合は複数人で使用することが多く、領域を分けて個別に管理する。そのために必要なのがユーザーとフォルダだ。
また、ユーザー個別ではなく、複数のユーザーを一括して管理するためのグループを設定することもできる。企業向けと思われがちだが、例えば子供にはキッズ向け動画などのフォルダを誤って削除/上書きをしてしまわないように読み取り専用で許可し、大人は読み書きできるようにしておくなど、家庭でもグループで管理したほうが設定しやすい場合も多い。
グループの作成時にはそのグループにどのユーザーを含めるのかを同時に設定できる。逆にユーザーを作成したときには、そのユーザーをどのグループに属させるのかを設定できる。もちろん、作成後にグループ管理、ユーザー管理の両方から設定を編集することが可能だ。
なお、ユーザーでのアクセス以外にパスワードなしで利用できるゲストアクセスもサポートしている。特定ユーザーのアクセスを禁止してもゲストでのフルアクセスを許可していたら意味がないので注意しておこう。
ユーザー・グループを作成したら共有フォルダの管理を行う。TS-110はデフォルトで以下のフォルダが作成済みとなっている。
ゴミ箱フォルダ。ネットワークリサイクルビンを有効にすればTS-110のファイルを削除したときにこのフォルダに移動される。
一般向け汎用フォルダ。パスワードなしでフルアクセスが可能となっている。
ダウンロードステーションが利用するフォルダ。TorrentやFTPなどからダウンロードしたファイルなどが保存される。
iTunesサーバやマルチメディアステーションを利用する場合はこのフォルダ以下に音楽ファイルや動画ファイル、画像ファイルを置いておく。
監視ステーションが利用するフォルダ。ネットワークカメラの録画ファイルが保存される。
USBワンタッチコピーバックアップで利用するフォルダ。設定によってTS-110に接続したUSBデバイスからこのフォルダにコピーしたり、あるいはその逆にこのフォルダからUSBデバイスにコピーしたりすることができる。
Webサーバ機能で利用するフォルダ。このフォルダがドキュメントルートになる。
以上のフォルダはNetwork Recycle Bin 1を除いてユーザーが自由に利用できる。必ずしもマルチメディアファイルはQmultimediaフォルダに置かなければならないというわけではないので、利用するサービスと利用形態を考えてフォルダを決めればいいだろう。独自に共有フォルダを作成したい場合はターボステーションウィザードから「共有フォルダの作成」を選択する。共有フォルダ/ユーザーの設定が完了したらPCから接続できることを確認しよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.