NVIDIAは、1月7日(現地時間)に米国ラスベガスで行われている2010 International CESにおいて、同社CEOのジェン・セン・ファン氏による、Tegraに関するプレスカンファレンスを行った。そのなかで、Tegraを採用したタブレットデバイス(NVIDIAは“Tegra Tablet”と呼んでいる)のサンプルが登場したので、ここでは、その画像を中心に紹介しよう。
このカンファレンスは、“新世代Tegra”の発表会も兼ねているが、その特徴についてファン氏は説明した。この新しいTagraでは、従来のTegraでCPUユニットとして機能していた「ARM11」を、40ナノメートルプロセスルールを採用した最新の「Cortex-A9」に変更しただけでなく、マルチコア構成に対応するCortex-A9を2基組み込んだ“デュアルコア”Tegraに進化したのが特徴だ。
NVIDIAの資料では、各種処理におけるバッテリー駆動時間をAtom搭載システムとSnapdragon搭載システムとで比較しているが、そこでは、新世代Tegraを搭載したデバイス(消費電力400ミリワットの5型ディスプレイを搭載し、2000ミリアンペアアワーのバッテリーで駆動する)で、音楽再生が140時間、WebページにアクセスしたHDストリーミング再生が6時間、1080pのHD動画再生が12時間弱という結果が示された。

新世代Tegraの構成。Cortex-A9を2基実装したのが特徴。ほかにも、3DグラフィックスコアやHDビデオエンコードエンジン、同デコードエンジンを組み込むなど、これまでのTegraが備えていた強みも受け継いでいる(写真=左)。NVIDIAが示したメディア処理におけるバッテリー駆動時間の結果。AtomとSnapdragonでは対応しないHDストリーミング再生と1080pHD動画に対応できるのがTegraのアドバンテージだ(写真=右)ファン氏のスピーチが終了した後に、実際にデモで登場したサンプルに触れる機会があった。その時点で、バッテリーが切れて動作しない機材があったものの、いくつかは、実際に操作することも可能だった。いずれも、開発途中の機材で、そのスペックについてNVIDIAが明らかにしなかったため、サイズ、重さ、バッテリー駆動時間など正確なところは現時点で不明だ。


MSIのTegra Tablet。残念ながら撮影できるタイミングでバッテリーが切れてしまったらしく、操作できなかった。インタフェースカバーがシールで固定されていたので、正確なところは不明だが、SDメモリーカードリーダーやUSBを示すアイコンが確認できた
カンファレンスでは、TegraプラットフォームでUnreal Engineを使ったゲームを動作させるデモも紹介された(写真=左)。デモに使ったシステムは背面からシステムボードが見えるようになっていた(写真=右)
プレスカンファレンスの最後には、“Fermi”アーキテクチャを採用した「GF100」を使った3画面を連動したNVIDIA 3D Visionのデモが行われた。ファン氏の解説によると、3画面を合わせたドット数は600万に及ぶという。GF100によるデモはNVIDIAの展示ブースでも行われていたので、その詳細は後日改めて紹介したい
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