先週の1月15日から、AMDのRadeon HD 5000ファミリーで現行最下位となるGPU「Radeon HD 5670」を搭載したグラフィックスカードが発売された。確認できたメーカーはSapphireと玄人志向、PowerColor、XFXで、価格は1万円弱から1万5000円以下だ。初登場時からGDDR5メモリを512Mバイト搭載したモデルと同1Gバイト搭載するモデル、クーラー込みでスロット1段に収まるモデルなどがそろっており、選択肢は多い(関連記事:1万円台で買える「Radeon HD 5670」でDirectX 11時代の性能をチェックする)。
Radeon HD 5670はファミリー共通でDirectX 11やGDDR5メモリに対応するほか、仕様上はDisplayPortを利用するマルチディスプレイ技術「ATI Eyefinity」もサポートしている。1つ上の「HD 5750」がストリームプロセッシングユニットを720個備えるのに対し、こちらは400個と少なく、標準クロックもコア775MHz/メモリ1GHzと最低となっている。
今回登場したモデルのうち、玄人志向のGDDR5 512Mバイトモデル「RH5670-E512HD/AC」がショップによっては1万円を切っているなど、割安感が高い。ただし、早急なヒットを期待する声は少なかった。
ソフマップ秋葉原本館は「エントリー向けなので、じわじわ売れてくれればいいです。ただ、年末に間に合ってさえくれれば、商機の重なりもあってヒットしていたと思うんですけどね」と語る。フェイス秋葉原本店も「DisplayPort搭載の1Gバイトメモリモデルには1万5000円近くするものもあります。HD 5750カードの低価格モデルと2〜3000円しか違わないので、住み分けは微妙ですね。価格が十分に安い512Mバイトモデルがある程度の定番となると思います」と話していた。
そのほか、XFXのHD 5670カード「HD-567X-YNFC」が、2段占有クーラーを搭載するほかのモデルと違い、1スロット占有タイプとなっていることから、ファンレスモデルの登場が近いのではと予想するショップもいくつかあった。
一方で、昨年から品薄が続いているHD 5970やHD 5870搭載カードは比較的安定して出回るようになってきたようだ。パソコンショップ・アークは「まだまだ潤沢とはいきませんが、少数なら在庫できる状況にはなってきていますね。落ち着いて最高クラスのマシンを組むなら、今くらいの時期がちょうどいいかもしれません」と話している。
※記事初出時、一部GPUの型番を4670と記述している部分がありましたが、正しくは5670です。おわびして訂正いたします。
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