PCパーツベンダーのPalitとドスパラ(サードウェーブ)、そしてNVIDIAは、7月14日の夕方にドスパラ秋葉原本店の店頭で、GeForce GTX 460と、その最新GPUを搭載したPalitの「NE5TX460」シリーズをアピールするイベントを行った。平日の夕方ということで、会社や学校帰りに訪れたという多くのユーザーが集まり、交通整理で苦労するほどの賑わいを見せた。
イベントの冒頭は、「日本にいるNVIDIAのスタッフで、技術のことが一番よく分かっている人」と多くのテクニカルライターから支持されているNVIDIAマーケティング本部テクニカルマーケティングエンジニアのスティーブン・ザン氏から、GeForce GTX 460の特徴が紹介された。
すでに、スペック的な情報はPC USERでも紹介しているが(仕様と性能の詳細についてはみんなの“Fermi”がやってきた──2万円台の「GeForce GTX 460」は“9800 GT”の再来か?を参照のこと)、スティーブン氏は「GeForce GTX 480を重戦車に例えるならGeForce GTX 460は(軽快な)偵察装甲車。軽快でかつ強力」と説明。
スペック的な違いとしては、CUDAユニットがGeForce GTX 480で480個あるところ、GeForce GTX 460は336個に、Polymorph EnginesもGeForce GTX 480の15個からGeForce GTX 460では7個と半分以下に少なくなったのに対し、Texture UnitsはGeForce GTX 480の60個に対して、GeForce GTX 460でも56個とわずかに少なくなったことが挙げられた。「Texture UnitsはDirectX 9やDirectX 10でも重要な役割を果たすので」(スティーブン氏)
続いて、リファレンスデザインにおけるグラフィックスカードの長さが、GeForce GTX 480の10.5インチ(約27センチ)から8.25インチ(約21センチ)と短くなってコンパクトなPCケースにも組み込めるようになったことを紹介。また、価格面からもGeForce GTX 460の優位性をアピールする。「ゲームタイトル“Half-Life 2”を開発したVALUVEの調査によると、PCゲームユーザーで最も多い31%が199ドルのグラフィックスカードを購入している。だから、この価格帯でNVIDIAも本気になってGeForce GTX 460を投入する」(スティーブン氏)
スティーブン氏は「前世代の定番となっていたGeForce 9800 GT」に対するGeForce GTX 460のアドバンテージも説明。ジオメトリパフォーマンスで4.5倍、DirectX 10対応ゲームタイトルのパフォーマンスでは最大で2.6倍、PhysXを利用するゲームでは4.5倍に向上したことをデータで示した。
さらに、GeForce GTX 260との比較では、「ゲーム画質の設定を落として、1600×1050ドットで遊ぶことを推奨していたが、GeForce GTX 460では、フルHDでプレイすることが可能になった」と述べ、DirectX 11に対応したベンチマークテストでは、NVIDIAが競合するGPUと想定するRadeon HD 5830との比較で、Unigine Heaven 2.0で50%速く、Stone Giantで75%速いというデータが紹介された。「この価格帯でDirectX 11対応のゲームがプレイ可能なGPUはGeForce GTX 460しかない」(スティーブン氏)
スティーブン氏はGeFore GTX 480のリファレンスカードで“いろいろいわれた”というクーラーユニットの静音性能についても解説した。NVIDIAが測定した調査で、GeForce GTX 460搭載リファレンスカードの発生音は、アイドル時で25dBA程度、ピーク時でも30dBAを下回るなど、Radeon HD 5830を下回っている。また、GeForce GTX 460の外部電源コネクタが6ピン+6ピン構成なのに、最大TDPがグラフィックメモリ1Gバイト搭載モデルで180ワット、768Mバイト搭載モデルで150ワットとなっていることに言及している。「150ワットなら、外部電源は1基で済みます。だから、どこかのパーツベンダーさんから省電力モデルが登場するとうれしいのですが」(スティーブン氏)
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