パナソニックAVCネットワーク社 ITプロダクツビジネスユニットビジネス長の奥田茂雄氏は、Let'snote J9のコンセプトを説明した。従来のLet'snoteシリーズは、どこにでも持ち出して使える「ビジネスモバイル」と屋外でも問題なく使える「フィールドモバイル」という2つのコンセプトでモバイルPC事業を推進しており、第1世代のビジネスモバイルでは軽量ボディと長時間バッテリー駆動を実現し、第2世代では軽量、長時間駆動に加えて堅牢性を持たせ、現在の第3世代ではTDP35ワットのCPUを搭載して高性能も訴求するなど、着実に進化している。
奥田氏は、携帯電話や最近に普及しているスマートフォンとタブレットデバイス、そして、電子ブックリーダーと比べたノートPCの優位性と弱点に言及し、コンテンツの作成などの生産性でノートPCは優れているが、小型でどこでもすぐに使える使い勝手では、携帯電話やスマートフォン、タブレッドデバイスと電子ブックリーダーに及ばないとしている。奥田氏は、特に「すぐに使える」という面を新製品キーワードとして注目するほか、新モデルのコンセプトとしてプライベート利用で求められる個性を訴求、ユーザーの9割が男性というLet'snoteを女性層にも拡大するとしている。
パナソニック ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンタープロジェクトリーダーの星野央行氏は、Let'snote J9に盛り込まれた機能と特徴を紹介した。TDP35ワットタイプCPUの採用では、Core i7-640UM(1.2GHz、Turbo Boost Techology有効時で2.26GHz)を搭載したLet'snote R9 2010年夏モデルと、Core i3-370M(2.4GHz)を搭載するLet'snote J9店頭向けスタンダードモデル、Core i5-460M(2.53GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大2.8GHz)を搭載するLet'snote J9店頭向けハイパフォーマンスモデルで測定したPCMark05の結果を比較し、Let'snote R9と比べてスタンダードモデルでは1.2倍、パイパフォーマンスモデルでは1.8倍という性能を発揮するとした。
星野氏は、Let'snote R9とほぼ同じボディにTDP35ワットのCPUを搭載できた理由として、システムボードの面積を従来の76%に削減したほか、クーラーファン周辺の空気の流れを改善することで、Let'snote S9同等の放熱構造が実現したことを挙げている。
また、Let'snote J9では、OSの高速起動を実現するために、インテルの協力を得て開発した「クイックブートマネージャー」を実装している。星野氏は、クイックブートマネージャーの機能について、OSの起動に不要なサービスをOS起動後に開始したり、電源オンにおける初期化を高速にしたと説明、Let'snote R9で30秒かかっていたOSの起動が、Let'snote J9店頭向けハイパフォーマンスモデルで15秒に短縮できたとした。
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