Droboは、RAID 5/6相当の冗長性プラスアルファのデータ保護機能を持つ。このため、設置するHDDの構成によって使用可能な容量が変わってくる(HDDの混載を可能とするので、RAID 5のように簡単に計算はできない)。あらかじめ把握しておくなら、同社サイトで提供する容量計算ツール「CAPACITY CALCULATOR」を利用するとよいだろう。
例えば、搭載するHDDを320Gバイト、640Gバイト、750Gバイト、1Tバイト、2Tバイトとした構成では、利用可能な容量が約2.46Tバイト、リザーブ領域として0.9Tバイトが確保される。おおざっぱに計算するなら「すべてのドライブの合計容量から最大容量のHDDを引いた容量」が実際に利用できる感じだ。
気をつけたいのは同一容量のHDDを5台搭載した場合で、1Tバイト×5台のうち、1台を2Tバイトに更新したとしても利用可能な容量は変わらない。2台を2Tバイトに更新してようやく1Tバイト分が増えるという計算だ。単純に足して何Gバイト──でないことは覚えておきたい。とはいっても、そもそも通常のRAIDシステムはHDDの混在やその後の容量拡張そのものが難しいわけで、やはりこの点はデメリットというよりむしろメリットである。
では、実際に導入してみよう。Droboはその仕組みのため、そのままPCと接続するだけでは利用できない。試しにPCと接続してみると、USB機器として認識されデバイスとしては認識されるが、フォーマット作業は行えない。フォーマットは、添付する管理ユーティリティツール「Drobo Dashboard」をインストールして行う。
Drobo Dashboardのインストールが済むと、Dashboard側からフォーマットの確認メッセージが表示される。前後してOS側からもフォーマットの確認メッセージが出るが、これは無視して構わない。
Windowsマシンで見ると、フォーマットはXP互換ないしVista以降互換とする2つのNTFS、そしてFAT32の3つから選択できる。FAT32にすればWindows以外にMacなどでも参照可能だ。次に決定するのがボリュームサイズで、1Tバイトから16Tバイトまでスライダーにより指定する。これは搭載したHDDの容量ではなく、将来的にどこまで拡張可能としておくか──とする設定。OS側(例えばマイコンピューターなど)からは、ここで指定した値がボリュームサイズとして示される。
Windowsをメインに利用する場合、(大容量にすればOSからDroboが認識されるまでに時間がかかるとされるが、)こちらの指定値は大きめでよいと思われる。容量が足りなくなってもHDD交換・増設していけばいい──というDroboのメリットを最大限に生かすということで、大容量で設定しておきたい。最後にドライブパスとボリュームラベルを設定して完了だ。
Dashboardのユーザーインタフェース(UI)は、シンプルなメイン画面と「高度な制御」画面を切り替えながら使用する。メイン画面には使用済み容量と空き容量がグラフィカルに表示される。高度な制御画面では各ドライブの状態やデータ保護の状況などが詳しく表示される。
後編は、Drobo FSで対応するWeb・DLNAサーバ機能を追加できるアドオン機能「DroboApps」、「HDDが壊れたらどうなるか」の動作と対処手段、実利用時のデータ転送速度はどれくらいか──など、より詳細の機能・性能ついて検証していく予定です。
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