ぼくが13インチMacBook Airを買った理由元麻布春男のWatchTower(1/2 ページ)

» 2010年11月05日 15時00分 公開
[元麻布春男(撮影:矢野渉),ITmedia]
13インチMacBook Air

 10月20日(日本時間21日)、アップルは「Back to the Mac」と呼ばれるイベントを開催し、新しい「iLife'11」を発表、2011年夏に登場する予定の次期Mac OS X「Lion」について簡単な紹介を行った。このイベントの最後に発表されたのが新しい「MacBook Air」だ。

 2008年1月のMacWorld Expoで発表された初代MacBook Airは、MacBookファミリーの中で唯一光学ドライブを内蔵しない、最も持ち運びに適したMacだ。発表時に、ジョブズCEOが封筒から取り出す演出が話題となった。この初代機の発表以来、MacBook AirはCPUやチップセット(内蔵グラフィックス含む)、あるいはストレージ容量を変更したマイナーチェンジを2回行い、3世代を重ねてきた。今回発表された4世代機は、初めてボディを一新したメジャーチェンジとなる。

 第4世代MacBook Airで最大の話題は、従来からあった13.3インチ液晶ディスプレイモデル(13インチモデル)に加え、11.6インチ液晶ディスプレイを採用した11インチモデルが追加され、2ライン構成になったことだ。特に11インチモデルの64GバイトSSDモデルは、13インチモデルに比べ軽量なうえ、価格が8万8800円に抑えられており、話題性も十分である(関連レビュー:11インチMacBook Airを徹底比較)。

初代MacBook Airのユーザーは今が買い替えのタイミング

 筆者はこれまで、初代MacBook Air(SSDモデル)を2年ほど使ってきたが、非常に満足度は高かった。薄くてカバンに収めやすいだけでなく、液晶ディスプレイを開くとすぐに使える点が特に気に入っている。要するに、スリープからの復帰が速いということなのだが、今まで使ってきたどんなWindowsマシンよりも高速だった。本当に、液晶を開いた瞬間から使える感じで、感覚的にはiPadと大差ない(スリープからの復帰時にパスワードを設定していない場合は特に速い)。

 ただし、上で「高速だった」と過去形で書いたのは、アプリケーションやプラグインの追加が原因で、最近はちょっともたつく傾向が出始めていたからだ。こうした現象は、WindowsであろうとMac OSであろうと、程度の差はあれ変わらない。そろそろOSのクリーンインストールが必要かな、というタイミングだっただけに、今回の発表は個人的にもタイムリーだった。

4GバイトメモリのMacBook AirはオンラインショップでのCTOでしか入手できない

 このタイミングのよさに加え、今回のモデルチェンジには、買い換えたくなるスペックの変更があった。それはメモリ搭載量が増えたことだ。これまでMacBook Airは、初代から第3世代まで、メモリの最大搭載量が2Gバイトに据え置かれてきた。MacBook AirのメインメモリはSO DIMMのようなモジュールによる搭載ではなく、マザーボードにメモリチップが直接実装されているため、基本的に増設することはできない。今まで初代機を使い続けてきた大きな理由(というか、自分に対する言い訳)は、メモリ容量が2Gバイトのままだったからだ。

 今回発表された第4世代機では、オンラインショップにおけるCTOオンリーであるとはいえ、4Gバイトが選択可能になった(1万80円アップのオプション)。また、さすがに初代機のチップセット内蔵グラフィックス(GMA X3100)では、動画再生のアクセラレーションだけを考えても、もはや時代遅れといって差し支えない。そろそろ買い換える時がきたと判断したわけだ。

11インチと13インチのどちらを買うべきか

13インチと11インチのどちらを買うべきか?

 しかし、いざ買うとなると、11インチモデルと13インチモデルのどちらを選ぶかは、悩ましい問題である。上でも述べたように、話題性では間違いなく11インチモデルであり、小さくて軽いモデルが好まれるわが国では、実際に売れるのもおそらく11インチモデルだろう。

 最初は11インチモデルを買うつもりで、オンラインのApple Storeでカスタマイズしていたのだが、そこである点に気がついた。あれ? 11インチモデルも13インチモデルも、値段は変わらない……。

新型MacBook Air比較
ラインアップ 11インチモデル 13インチモデル
本体サイズ(W×D×H) 299.5×192×3〜17mm 325×227×03〜17mm
重量 1.06kg 1.32kg
CPU 超低電圧版Penryn 低電圧版Penryn
CPUクロック 1.6GHz(+9765円) 1.86GHz
L2キャッシュ 3MB 6MB
FSBクロック 800MHz 1066MHz
ディスプレイサイズ 11.6インチ 13.3インチ
解像度 1366×768ピクセル 1440×900ピクセル
バッテリー容量 35Wh 50Wh
バッテリー駆動時間 ワイヤレス環境で最大5時間 同最大7時間
SDカードスロット なし あり
SSD容量 128GB(+20000円) 128GB
メモリ容量 4GB(+10080円) 4GB(+10080円)
ベースモデルの価格 8万8800円 11万8800円
上記構成での価格 12万8645円 12万8880円

 上の表に示したのは、11インチモデルと13インチモデルで、購入に際し筆者が比較した項目だ。1.8GHz動作のCore 2 Duo(低電圧版Merom)を搭載したMacBook Air初代機を使っている身としては、できれば今より性能が低下するのは避けたい。11インチモデルが採用する超低電圧版でその希望を通すのは難しそうだが、それでもせめて標準の1.4GHz(SU9400)ではなくオプションの1.6GHz版(SU9600)にしておけば何とかなるかもしれない。SSD容量は、初代の64GバイトSSDでやりくりしている身からすると、64Gバイトでも生きていけないことはないが、128Gバイトになればかなり楽ができる。メモリは当然4Gバイトで……とカスタマイズしていくと、価格は12万8645円となった。

 一方、13インチモデルだと、1.86GHz動作のCPU(SL9400)とSSDは標準構成のまま、メモリだけ増設して12万8880円。価格差はわずか235円しかない。しかも、こちらのほうがCPUのクロックとL2キャッシュ容量で有利なうえ、バッテリー駆動時間も長い。ディスプレイの解像度が高いのは気にしない、というよりむしろ現行の1280×800ドットのディスプレイのほうがよかったくらいだが、ディスプレイサイズは大きいほうがよい。結局、アプリケーション側でフォントを拡大した場合、見かけ上、同じ文字の大きさなら、ディスプレイサイズが大きいほうが情報量が増えるからだ。

13インチモデルは、1440×900ドット表示対応の液晶ディスプレイを採用する(写真=左)。11インチモデルと13インチモデルを並べてみた(写真=右)

主要キーを19ミリピッチでそろえたキーボードを搭載。独立した電源スイッチが省略され、キーボードに統合されている。キートップのサイズは15ミリ正方で11インチモデルとほぼ同じだが、ファンクションキーの縦サイズが約9ミリ(11インチモデルは約5ミリ)、最下段のキーの縦サイズも約18ミリと大きい(写真=左)。マルチタッチに対応したガラス製トラックパッドは、105ミリ(幅)×76ミリ(奥行き)と、11インチモデルに比べて奥行きが13ミリほど長い(写真=右)。

 そもそも筆者は初代MacBook Airを使ってきて、その大きさや重さに不満があったわけではない。バッテリーの充電に時間がかかることや、有線LANポート(RJ-45ジャック)がないことには不満を感じたが、MacBook Airの持ち運びが辛いと思ったことはない。性能差に加えSDメモリーカードスロットの有無、バッテリー駆動時間の差と重量差260グラムをはかりにかけて、筆者は13インチモデルを選択することにした。

設置面積は11インチモデルの299.5(幅)×192(奥行き)ミリに対して、13インチモデルが325(幅)×227(奥行き)ミリと一回り大きいが、厚さは3〜17mmで変わらない。ちなみに重量差は約260グラムだ

13インチモデルの特徴としてSDメモリーカードスロットの搭載も挙げられる(写真=左)。ACアダプタのサイズは11インチモデルと同じだが、バッテリー駆動時間は2時間ほど長い最大7時間だ(写真=右)

 表に示した構成で、Apple Storeに注文したのが、Back to the MacのライブWebキャストを見終わった10月21日の朝。10月23日に出荷完了メールが届き、26日朝に無事受け取ることができた。

「MacBook Air」をApple Storeで購入する
8万8800円から購入可能になったスリムノート。


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