次期Mac OS Xの「Lion」や、統合アプリケーションスイート「iLife '11」を発表したアップルの「Back to the Mac」イベントでは、恒例の“One more thing”として新型「MacBook Air」も飛び出し、10月21日より即日販売が開始された。特に注目されるのはかねてよりウワサのあったAirの“弟分”、11インチMacBook Airだ。編集部でも早速入手したので、まずは写真で紹介しよう。
新型MacBook Airの仕様については、こちらの速報(アップル、8万8800円からの「11インチMacBook Air」)を参照してもらうとして、今回のモデルでポイントになる部分をまとめておくと、1つはiPadの特徴を取り入れたことだろう。
具体的には、スタンバイから即座に復帰する起動の速さ、スタンバイ時におけるバッテリーライフの長さ、そして軽量かつ薄型で可搬性に優れる点だ。新型MacBook Airでは、ラインアップすべてのモデルでSSD(アップルの呼称ではフラッシュストレージ)を採用し、一般的なHDDに比べて約2倍のアクセススピードを実現している。実際スタンバイ状態であれば、液晶ディスプレイを開いた瞬間に起動するので、iPadと同じように即座に利用できる。また、バッテリー駆動時間はワイヤレス通信環境で約5時間と通常のモバイルPC並みだが、スタンバイ状態では約30日間も持つという。
また、SSDの外装を完全に取り去り、マザーボード上に直接フラッシュストレージを実装することで、通常の2.5インチドライブに比べて重量と容積で90%ほど削減したという(つまりわずか10%)。本体サイズは11インチモデルが299.5(幅)×192(奥行き)×3〜17(高さ)ミリ、重量は約1.06キロ。高さについては13インチモデルも同様で、ハードウェアキーボードを持たないiPadの厚さが13.4ミリであることを考えると非常にシャープなデザインだ。このほか、駆動部分のないフラッシュストレージを採用したメリットして耐衝撃性が高い点も挙げられる。
※記事初出時、ファンレスという記述がありましたが誤りでした。おわびして訂正いたします
一方、iPadの特徴を取り入れつつ、MacBookファミリーの使い勝手もきちんと引き継いでいる。マルチタッチ対応のガラス製トラックパッドはもちろん、11インチモデルながら、13インチモデルと共通のフルサイズキーボードを搭載している。性能面でもNVIDIAの統合型GPUであるGeForce 320Mを採用しており、グラフィックス性能を約2倍に向上したという。なお、11インチモデルのインタフェースは、USB 2.0を左右側面に振り分け、右側面にMini DisplayPort出力、左側面にヘッドフォンとマイク、液晶上部にFaceTimeカメラという内容で、13インチモデルは右側面にSDメモリーカードスロットが加わる。


液晶ディスプレイは、フルフラットの黒い枠で囲んだMacBook/MacBook Proとは異なり、これまでのようにシルバーのデザインだ。画面解像度は11.6型LEDバックライト液晶を搭載する11インチモデルが1366×768ドット、13インチモデルが1440×900ドット(写真=左)。主要キーのサイズは11インチモデルと13インチモデルで共通。光学ドライブのイジェクトキーの右側に電源投入キーが加わっている(写真=中央)。トラックパッドの幅のサイズは同じだが、13インチモデル(右)のほうが奥行きがある。11インチモデルのトラックパッドのサイズは、104.5(横)×62.5(縦)ミリ。なお、重量は実測値で1058グラムだった価格は9万円を切る8万8800円から。現在MacBookファミリーで最も安いMacBook Whiteと同じ価格だ。2008年に登場した初代MacBook Airが、HDDを搭載するモデルでさえ22万9800円だったことを考えると感慨深い。なお、日本国内では10月21日の夕方ごろからアップル直営店に入荷し、週末にかけて順次量販店でも販売が開始される見込みだ。
13インチモデルも一新:アップル、8万8800円からの「11インチMacBook Air」
Mac App Storeもオープン:次期Mac OS X Lionを発表、2011年夏に発売
MacでもFaceTimeが可能に:アップル、「FaceTime for Mac」のパブリックβを公開
価格は4800円:アップル、iPhoto、iMovie、GarageBandを強化した「Life '11」
もうすぐ発売:「Office for Mac 2011」は“ユーザー体験”の互換性を追求
新旧「iMac」を比較(後編):新型「iMac」はWindowsでも“最強”のオールインワンか
新旧「iMac」を比較(前編):Core i世代に完全移行した新型「iMac」を試す
Magic Trackpadを試した:“最高のデスクトップPC”をさらに強化――新型「iMac」製品説明会
Magic Trackpadも:すべてのモデルが“Core i”世代へ――新型「iMac」が登場
32ナノの“Westmere”世代へ:アップル、合計12コアXeon採用の「Mac Pro」を発表
ついに16:9をサポート:アップルが27型ワイドの新型LED Cinema Displayを9月に発売
13型MacBookファミリーを比較:「MacBook」か「MacBook Pro」か、それが問題だ
これが夏ボの使い道?:アルミユニボディの新型「Mac mini」を試す
15インチMBPを試す:「Core i」世代に生まれ変わった最新「MacBook Pro」の実力は?
電源内蔵でも超静音:「世界で最もエネルギー効率が高いデスクトップPC」――新型「Mac mini」製品説明会
これが“冬ボ”の使い道:画面が大きく鮮やかになった新型「iMac」を徹底比較
iMac製品担当者に聞く:「不要なものがない、世界で最も優れたコンシューマー向けデスクトップPC」
Core i7も選べます:画面が広く、大きく、鮮やかに――クアッドコアCPU搭載iMacも登場
12万8800円から:“大きなiMac”がさらに安く――アップルがiMacの新モデルを発表
24インチ時代が今から始まる――新型iMacで自信を見せるアップル
今度の新型Macシリーズは何がスゴイのか
Penryn世代の「iMac」は最大28%性能アップ――アップル説明会
速くて安い、新しい「iMac」が登場
アップルが新しいiMacを発表――アルミの外装でさらに薄くCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.