消費電力の測定結果で見ていくと、GeForce GTX 580はGeForce GTX 480よりアイドル時で20ワット、ピーク時で10ワット低い。ワット/パフォーマンスの改善が確認できる結果だ。ただし、Radeon HD 5870に対してはまだ高く、アイドル時で15ワット、ピーク時では100ワット以上も差がある。一方で、デュアルGPUのRadeon HD 5970に対してはピーク時こそ40ワットほど高いが、アイドル時では10ワットほど低くくなった。GeForce GTX 480がアイドル時でRadeon HD 5970より高かったことを考慮すれば、“まずは改善された”といえるだろうか。
なお、Thermal Threasholdについては、GPU-Zのセンサーログを利用して測定してみた(ただし、Radeon HD 5970については正しい値がとれていない疑いがある)。GeForce GTX 480はピーク時(3DMark VantageのGT1、GT2を連続実行したときの最大値)で95度と、100度目前に迫る勢いだったのに対し、GeForce GTX 580は86度でとどまっている。その差の7度はスペックにあるThermal Threasholdの差である8度に近い値だ。
GeForce GTX 580のベンチマークテスト結果は、シングルGPUのトップで、DirectX 11対応のゲームではRadeon HD 5970を上回るスコアを示した。現在市販されているほとんどのゲームタイトルを最高画質、高解像度設定で楽しむことが可能だろう。とくに、LostPlanet 2がDirectX 11版の標準設定、解像度1920×1200ドット条件で平均60fpsを超えるというのは驚きだ。
GeForce GTX 580を搭載したグラフィックスカードの実売価格については、GeForce GTX 480と同じ499ドルという価格帯がNVIDIAから示されている。日本市場で流通する製品については、円高の影響もあってかGeForce GTX 480の発売当初よりも安い実売5万円台半ば〜後半になる見込みだ。流通量は初回こそ少ないといわれているが、NVIDIAとしては40ナノメートルプロセスルールの歩留まりが向上しているとし、今後の流通量は増えると説明している。
Fermiの第2世代は多くの面で改良されており、ベンチマークテストの結果はそのことを裏付けている。しかし、競合するAMDも年内にRadeon HD 6900シリーズを発表する予定で、こちらはアーキテクチャも変更されるといわれている。ハイエンドGPUの競争は、まだまだ目が離せない状況だ。
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