ユーザーは能弁な社長に泣かされる牧ノブユキの「ワークアラウンド」(2/2 ページ)

» 2010年12月21日 10時30分 公開
[牧ノブユキ,ITmedia]
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「ファームアップが予告されているから大丈夫」はフラグ

 PC周辺機器の業界では、「ファームウェアのアップデート」という機能は、“売上の向上には結びつかない”とされている。「あのメーカーはユーザーの意見を取り入れて製品を進化させてくれる」といった好意的な口コミが売上に貢献する可能性もなくはないが、その効果の検証は難しい。効果のほどが分からない機能に対応するより、新しい製品の開発に労力をつぎ込んだほうがいいというのが日本のメーカーで主流の意見だ。たとえ、従来製品のユーザーを切り捨てても魅力的な新製品を送り出す。そして、この効果は売り上げの向上という分かりやすい指標で示される。

 ファームウェアのアップデートが求められる理由には2種類ある。「不具合の修正」と「機能追加」だ。不具合を修正するファームウェアのアップデートは、緊急を要するため、その対応も開発も短時間で行われる。しかし、そこには、顧客重視より社内のサポート部門の突き上げがいや、という思惑が働いていることも否定できない。

 一方、ユーザーの要求に対応して機能を追加するファームウェアのアップデートは、一定の期間が経てば行われなくなるケースがほとんどだ。その理由は、ここで説明したように、新製品開発へリソースがシフトされることやハードウェアの性能がアップデートで追加される機能を処理するには不足してしまうほかに、いわゆるファブレスメーカーが外注メーカーと交わした契約書で「機能追加のファームウェアアップデートは行わない」とする場合も多い。

 このような事情を考えると、「ファームウェアのアップデートに対応しているから安心できる」という評価は危険であることが分かる。そういうサポートを重視するよりは、最初から最新のファームウェアとハードウェアを搭載し、かつ、製品開発期間が十分に確保されているだろう製品が安心ということになるだろう。

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