PCMark05、および、PCMark VantageのOverallでは、E-350は一番低い結果となった。PCMark05の個別テストで結果を確認すると、CPUとメモリの結果が3構成で最も低く、特にメモリテストでスコアの差が大きい。また、HDDのスコアも低い。一方で、グラフィックステストは最も高いスコアを出している。PCMark Vantageでも、TV and MoviesとMusicで特にスコアが低い。PCMark VantageのTV and MoviesテストではGPUによるハードウェアアクセラレータが有効にならないため、CPUとメモリの性能が結果に大きく影響する。E-350はそうしたテストで苦戦する。
Sandraベンチマークテストでも、CPU関連テストの結果は比較機種に対して低い。ただし、Processor Multi-MediaのMulti-Media Int xN iSSExでTurion II Neo K625を上回っている。メモリ関連のテストでも、シングルチャネルゆえの不利が確認できる。ただしデュアルチャネルであるはずのCeleron SU2300+IONのスコアも高くなく、意外にもZacateと同程度だ。
トランスコード性能を評価するベンチマークテストでは、TMPGEnc Video Mastering Works 5とMediaEspresso 6.5で、ハードウェアアクセラレータを有効にした状態で測定している。Turion II NeoとCeleronはほぼ同じ処理時間で終了しているが、E-350ではその1.5倍近い時間を要している。
このような、苦戦を続けるE-350採用プラットフォームだが、3DMark06、および、3DMark Vantageの3DMarksでは最も高い結果を出すなど、IONに対しても明確な優位性を示している。CPU側でもう少しパフォーマンスを出せるなら、3D関連ベンチマークテストのスコアはさらに伸ばすだろう。
ただ、ゲームタイトルによるベンチマークテストの結果は、AMD M880Gよりは上だがIONに対しては劣る。なお、Final Fantasy XI Official Benchmark 3ではE-350がAMD M880Gにも負けているが、これは、CPUの影響が大きいためだ。基本的にE-350の3Dグラフィックス性能は向上したが、ゲームではタイトルを選んだり、低画質モード、低解像度で実用的なフレームレートが確保できる。
消費電力値に関しては、比較した構成での差は小さい。ただ、E-350ではアイドル時の消費電力でほかの構成より5ワットほど低い一方で、ピーク時の消費電力はわずかながら最も高かった。なお、ピーク時で最も低い消費電力だったのは意外にもCeleronとIONの組み合わせだ。なお、この測定結果はシステム全体の消費電力を示しているので、マザーボードに実装されているコントローラなどの違いで差が出ている可能性もある。
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