今回行った性能評価でE-350の優位性が確認できたのは、3DMark系とアイドル時の消費電力ということになる。UVD3の実装はホームシアターPCでメリットとなるものの、3D性能に関してはCPUやメモリ関連の性能が足をひっぱる感じだ。
ただ、AMDは、Fusionの説明において「ソフトウェアの最適化」という側面を説明している。これまでCPUで行ってきた処理の一部をグラフィックスコアで置き換え、CPUと同じダイに統合したことで使えるようになった高速な内部アクセスなど、“APUのメリット”を活用できるソフトウェアが登場してくれば、状況は変わるかもしれない。Webブラウザでも、これから登場する最新版ではグラフィックスコアのハードウェアアクセラレーションが利用できるようになる。それ以外でも、普段使うアプリケーションがグラフィックスコアによって加速されるのならば、E-350採用プラットフォームシステムの体感速度は上がっていくはずだ。
また、低消費電力である点はホームサーバ用途やホームシアターPCのような用途に適している。マザーボード+1基のHDD+ケースファンのような構成でピーク時50ワットということは、ACアダプタ駆動も可能であろうし、HDDの代わりにSSDを搭載してPCケースの条件さえ整えばE35M1-I Deluxeによるファンレスサーバにも挑戦できるだろう。このように、セカンドPCやサーバなど、E-350となどで“Zacateマザーボード”が求められるはずだ。
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