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» 2011年10月09日 10時30分 公開

KATANA JAPAN、奮戦す!MOA 2011 WORLDWIDE GRAND FINAL(2/4 ページ)

[長浜和也,ITmedia]

このメモリチップは何なんだ……

 10時30分、Super PI 32Mのタイムを競う2時間の第1ステージがスタートした。しかし、KATANA JAPANはメモリの不安定な動きに苦戦する。OSの起動もままならぬほどの状況に、駆動電圧を下げていくが、それでもなかなか起動しない。Gyrock氏は、オーバークロックでほとんど使われないメモリ“チップ”が影響していると分析した。残り1時間30分でようやくOSが起動するまで設定が安定してきた。ベースクロック107MHz(ルールでCPU倍率は50倍に固定)と条件は悪くない。

 この時点で、トップタイムは6分21秒281を出している。残り1時間20分、ようやく、KATANA JAPANは第1回目のスコアを審判部に申告した。タイムは、6分26秒486。PCのセッティングと設定、そして、配布された2つのCPUから“先発”に耐えうる個体の選別ができたKATANA JAPANは、それまで構築作業が容易でCPUの入れ替えが短時間でできる水冷ユニットを使っていたが、ここで液体窒素液冷対応のクーラーユニットにシステムを組み替えた。ほかのチームが組み立てステージの1時間半と、第1ステージにこれまでかかった1時間強をかけてシステムのチューニングを行っているのに間に合うのか? しかし、KATANA JAPANが再構築に要した時間はわずかに約7分間。そして、再構築後の起動もスムーズにいった。

ほかのチームが、いきなり液体窒素冷却に入る一方で、KATANA JAPANは、構築が容易な水冷ユニットで“本走用”のCPUを探る(写真=左)。水冷状態でまず記録をエントリーする。試走段階でもこの時点で3位をマークした(写真=中央)。使うCPUを選び、冷却ユニットを水冷から液冷に換装する。要した時間はわずかに7分(写真=右)。

 KATANA JAPANは、試走を終えてSuper PI 32Mの“本走”にかかった。しかし、タイムはトップグループに届かない。CPUの状態は良好だが、相変わらずメモリタイミングのチューニングに苦しむ。残り40分。ブルースクリーンが繰り返し発生して起動がままならなくなってきた。ここまでに出ている最高スコアとトップとの差は約4秒。思わず「こりゃきついな」と声が漏れる。駆動電圧設定を変えて探りを入れると、残り30分でなんとか起動に成功した。マウスが認識されないなど不安定な状況だが、本走に挑んでまずは1秒差の3位スエーデン代表「Expandables」を追いかける。走れるのは5回ほどだろうか。しかし、Super PIがなかなか起動しない。そうしているうちに、ExpandablesとKATANA JAPANの間に独代表の「BenchBros」が割り込んできた。この時点でKATANA JAPANは5位。メンバーは“飲み放題”のレッドブルで気力を補給する。

 残り20分。ベースクロック106.8MHzでトライしてSuper PI 32Mが完走したら、ベースクロックを107MHz台に引き上げる作戦にでる。残り時間は後2回のランがぎりぎり間に合うラインだ。残り9分で完走に成功した。ベースクロック107.3MHzで最後のチャンスにかける。起動はうまくいった。Super PI 1Mの試走でこれまでの最速をマークする。CAL930氏は、これまでのランから「このCPUは、マイナス40度を下回ると減速する感じ」と過冷却に注意しながら、液体窒素を注いで最後のランを開始する。途中のラップもこれまでで最も速いペースだ。最後のランを見守りながら、Gyrock氏は、「メモリ(セッティング)を詰めればトップのギリシャと同じタイムは出せるはず。ギリシャはメモリの扱いがうまい」とSuper PI 32Mでトップスコアを出していて、過去の多くの大会で優勝してきたギリシャの代表チーム「HWBOX.gr」を評価する。

 このランで第1ステージはタイムアップ。KATANA JAPANは最後に挑んだ6分22秒515が最高タイムとなった。日本は6位。Gyrock氏もCAL930氏も順位は関係ないという。トップはギリシャのHWBOX.grで6分11秒094。トップと差は11秒で、ベンチマークテストごとに設けられた比重配点(CPU系は少なく、GPU系は多く配点して総合ポイントを求める)ポイントも1.6差だ。世界決勝に参加する多くのチームは、アジア太平洋州決勝の戦いぶりから「KATANA JAPANはGPU系ベンチマークテストのステージで成績が上がる」と警戒していた。

Super PI 32Mで競う第1ステージは、メモリのチューニングで苦戦した(写真=左)。メモリチューニングで苦しんだ跡がログブックに残る(写真=中央)。第1ステージを終了してKATANA JAPANは6位。上位は強豪の欧米チームが占める(写真=右)

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