イベント内で特に注目を集めていたセッションが、AMD FXシリーズの最上位となる8コアCPU「FX-8150」を使ったオーバークロックデモだった。同CPUシリーズは、すべての製品で動作倍率フリーのアンロック仕様。加えて、FX-8150は今年8月31日に液体ヘリウムを使用したオーバークロックにより8.429GHzを記録、世界最高速のクロック周波数としてギネス認定を受けている。
本セッションでは、オーバークロックワークスの渡辺氏が登場し、初めにFX-8150でオーバークロックを行う際の注意点を説明。同CPUにバンドルされる純正水冷クーラー(日本限定500キット)を使用したオーバークロックを実演した。
デモは、BIOSの設定とともにマザーボード同梱のオーバークロックツールを使用して進められ、1.5ボルトに電圧を上げることで5GHzに到達。ベンチマークソフト「CINEBENCH」を使い、8コアすべてを100%の使用率にする負荷テストも無事完走できた。


今回オーバークロックに使ったデモマシンのパーツ構成(写真=左)。ベンチマークソフト「CINEBENCH」を使用して負荷テストを実行。1.35ボルトの電圧では4.6GHzまで動作できたが、4.8GHzを超えるとマシンが停止した(写真=中央)。電圧を1.5ボルトにすると5GHzを突破。CINEBENCHも無事完走できた。ちなみに、画像の電圧表示は1.275ボルトだが、実際には1.5ボルトまで電圧を上げている(写真=右)続いて、液体窒素を使用した極冷オーバークロックにも挑戦した。しかし、イベント当日は10月としては気温が高かったため結露が頻繁に発生したり、そのほかの機材によるトラブルなどが続発したりするなど、6.5GHz前後でタイムアップとなってしまった。
ただし、渡辺氏が以前別の構成で行ったテストでは7.8GHzでの動作を確認しているという。同氏は「今回はふるいませんでしたが、オーバークロックワークスの店舗のほうでAMD FXシリーズ発売後に8GHz超えにチャレンジするユーザー参加型のイベントを企画しています。その時まで楽しみにしていてください」とリベンジに意気込みを見せていた。


液体窒素を使用したデモマシンのパーツ構成(写真=左)。トラブルが頻発するもオーバークロックを実行。このあと6.5GHz前後まで上がった時点で終了となった。この時はラストチャレンジだったため、1.8ボルトの電圧をかけていたが、環境がそろえば1.7ボルトでも7GHzの動作が可能という(写真=中央)。渡辺氏が事前に別構成で行ったオーバークロックテストでは、2コアながら7.8GHzの動作を確認しているとのことだ(写真=右)AMDのセッションでは、米AMDマーケティング・ディレクターのボブ・グリム氏が登壇した。同氏は「デスクトップPC向けのCPUとして、世界初となる8コア製品を含むAMD FXシリーズは、先のギネス記録獲得でも分かるとおり、オーバークロック耐性も高く、ハイパフォーマンスを追求したCPUです。日本では水冷キットをバンドルした8コア搭載のFX-8150を500セット限定で発売するので、ぜひ手に取ってみてください」とプッシュした。
気になる国内の発売日については、日本AMDの森本氏より「まず、6コアの『FX-6100』と4コアの『FX-4100』を10月23日に発売します。それで、上のモデルなんですが……なんというか、本当に申し訳ありません」との案内が。ただし、発売日が決定次第、随時発表していくという。
イベントの終了後、同氏にもう少し詳しく話を聞くと「水冷キットをバンドルしたFX-8150に関しては、年内にはほぼ間違いなくいけます。クリスマスまでには……が、がんばります」とのことだった。


AMD FXシリーズのラインアップ。「FX-6100」「FX-4100」が10月23日に発売。上位モデルの発売日に関しては、現時点では確定していないという(写真=左)。世界最高速のCPUであることをアピール(写真=中央)。コストフォーマンスも高いこともプッシュしていた(写真=右)
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