“Unlock”な「A8-3870K」でCPU倍率とGPUクロックをいじっちゃうイマドキのイタモノ(3/3 ページ)

» 2011年12月27日 17時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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CPUもGPUもオーバークロック可能

 なんといっても、A8-3870KではCPU倍率設定が可能になったことが最も注目できる特徴だ。そこで、評価用機材でオーバークロックチューニングを試みてみた。

 なお、A8-3870Kのオーバークロックを行う前に、使用するマザーボードのBIOS(Unified EFI)をチェックしておきたい。評価で用いたASRockの「A75 Pro4」はLlano登場直後のBIOSをそのまま使用していたので、オーバークロック関連の設定項目がほとんどなく、CPU倍率は定格まま、グラフィックスコアクロックにおいては設定項目すらなかった。ASRockが11月8日にリリースしたVer.2.00を適用すると、CPU倍率の上限が引き上げられ、GPUクロックに関する項目も表示されるようになった。ほかのマザーボードでも、Llano登場当初のBIOSを使用している場合は、最新版を適用しておきたい。

 BIOSに最新版を適用したところで、CPUのコアクロックを3.5GHzに、グラフィックスコアクロックを720MHzに引き上げてベンチマークテストを行った。

評価で使ったASRockのA75 Pro4のBIOSを最新のVer.2.00に更新した。CPUとGPUに関連するオーバークロック設定項目が表示できた

CPU-Z(写真=左)とGPU-Z(写真=右)で、CPUコアクロックを3.5GHzに、GPUクロックを758MHzに引き上げた状態を確認する

A75 Pro4マザーでA8-3870Kのオーバークロック設定をした後で、A8-3870Kを外してA8-3850を組み込むと、このような「アンロック」状態になった。A8-3850で35倍という表示になるが、ベンチマークテストで測定してみると、定格のA8-3850と同じ結果になる。CPU倍率設定制限解除とGPUオーバークロック可能なのは“K”が付く2モデルのみだが、“Llano”と対応BIOSの挙動には、現時点で不明確な部分が多い。“変わった設定”ができた場合は、ベンチマークテストで確かめる必要がある

PCMark 7 Build 1.0.4
Sandra 2012.SP1a(18.24):Processor Arithmetic、Processor Multi-Media
Sandra 2012.SP1a(18.24):Cryptography

Sandra 2012.SP1a(18.24):.NET Arithmetic、.NET Multi-Media
Sandra 2012.SP1a(18.24): Memory Bandwidth
Sandra 2012.SP1a(18.24): Cache and Memory

CINEBENCH R11.5
MediaEspresso 6.5:AVCHD>iPhone4(HW off)

3DMark 11 Build 1.0.2:3DMarks
3DMark 11 Build 1.0.2:Graphics

3DMark 11 Build 1.0.2:Physics
3DMark 11 Build 1.0.2:Combined
The Last Remnant

 オーバークロックしたA8-3870Kと定格動作のA8-3870KでPCMark 11のスコアを比較したが、その差はわずかで、3GHzから3.5GHzにクロックアップに見合うスコア向上ができていない。「Entertainment」と「Computation」ではスコアを伸ばした(ただし、これもクロックアップ分には遠い)が、逆にスコアを落とした項目もある。これは冷却効率が不足しているか、コア電圧が足りていない可能性がある。

 なお、このほかのベンチマークテストでは、クロックアップしただけのスコア向上が確認できた。オーバークロック設定においては、CINEBENCH R11.5のSingle CPUスコアが1を超え、Media Espresso 6.5によるトランスコード処理時間は約1分の短縮となった。

 GPUに関しても、3DMark 11のEntry設定における「Graphics」テストで300ポイント上昇し、The Last Remnantでフレームレートが向上した。ただし、CPU関連項目がクロックアップ比率に近い上昇を示すのに対し、GPU関連項目ではそこまでの向上でない。今回のオーバークロック設定においては、システムメモリに関してオーバークロックしていないため、ここがボトルネックとなっている可能性もある。

安くて遊べそうなLlano Refresh。でも課題は流通量

 100MHzほどCPUコアクロックを引き上げたA8-3870Kは、ごく普通のユーザーにとって100MHzクロックアップしたモデル以上の意味はない。ただ、実売価格はA8-3850と同じあたりに落ち着くようなので、特に理由がない限り、A8-3870Kを選べばいいだろう。

 一方で、オーバークロッカーにとってはLlanoのなかで最も面白いモデルだ。CPUとGPUがともにオーバークロックできるため、“遊びがい”がある。グラフィックス関連のベンチマークテストでスコアを伸ばすためには、システムメモリの動作クロックも考慮しなければならないだろう。システムメモリが関連してくるということは、FSBにも手を加えることになる。こうして、チューニングポイントが一気に増えて、しかもA8-3870Kという、ある程度上限が限られたCPUでバランスをとらなければならないという、オーバークロッカーには遊べるCPUといえる。

 ただし、AMDの製品ということで、供給量が気になるところだ。A8-3850で供給量が足りていないという状況において、“遊べるLlano”と多くのAMDユーザーが期待をしたところで、入手できなければ不満が募るだけだ。AMDには入手したいと思うユーザーに行き渡るだけのボリュームを時期を逃さす供給してくれることを切に願いたい。

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