ソニー初のUltrabookはやっぱり気になる――「VAIO T」特大レビュー(前編):明日発売! 11.6型/13.3型を徹底比較(3/6 ページ)

» 2012年06月08日 14時00分 公開

店頭モデルは第3世代Core i5-3317Uを搭載

 基本スペックも11.6型/13.3型で共通化されている。

 店頭モデルは、Ivy Bridgeこと第3世代Coreプロセッサー・ファミリーのデュアルコアCPUであるCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz)を搭載。Hyper-Threadingに対応し、4スレッドを同時に実行できる。これまで超低電圧版と呼ばれていた末尾に「U」が付くモデルで、TDP(熱設計電力)が17ワットと低いのが特徴だ(通常のデュアルコアモデルは35ワット)。動作クロックは1.7GHz、Turbo Boost 2.0によって自動で最大2.6GHz(2コアアクティブ時は2.4GHz)まで上昇する。

 チップセットはIntel HM77 Express、グラフィックス機能はCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000を利用する。第2世代Core(開発コード名:Sandy Bridge)に統合されたIntel HD Graphics 3000と比較して、3Dグラフィックス性能が大きく向上しているほか、Intel Quick Sync Video 2.0による高速な動画変換機能を備えている(動画編集ソフト側の対応が必要)。液晶ディスプレイの解像度は1366×768ドットと標準的だ。

CPU-Zの情報表示画面。店頭モデルのCPUは、TDPが17ワットに抑えられたCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz)を採用(写真=左)。CPUに負荷をかけ続けるCINEBENCH R11.529のテスト中は、2コアアクティブ時の上限である2.4GHzまでクロックが上がっており、スペック通りのパフォーマンスを発揮した(写真=中央)。GPU-Zの情報表示画面(写真=右)。CPUに統合されたIntel HD Graphics 4000を利用する

 メモリはオンボードで4Gバイトを実装。従来の1.5ボルトより低電圧の1.35ボルトでの動作に対応したDDR3L-1333(PC3L-10600) SDRAMを採用する。また、底面にはDDR3L対応SO-DIMMスロットを1基備えており、ここに4Gバイトモジュールを装着することで、最大8Gバイトまで拡張可能だ。

ISRTによるハイブリッドストレージを採用

 データストレージは500GバイトのHDD(5400rpm/Serial ATA/7ミリ厚)に加えて、キャッシュ用の32GバイトSSD(mSATA)を搭載する。汎用性に配慮して大容量で低コストなHDDを採用しつつ、Ultrabookに求められる高速なレスポンスを実現するため、キャッシュ用のSSDを組み合わせた構成だ。ちなみにこのキャッシュは通常ユーザー側からは見えず、1台のHDDとして扱える。

 キャッシュ用SSDの接続には、Intel Smart Response Technology(ISRT)を採用。一度読み込んだデータはSSDにキャッシュされるため、次回以降のアクセスが単体のHDDより高速になる(メモリと異なり、OS再起動後もキャッシュは保持される)。

 ISRTはIntel Z68 Expressチップセットから追加された機能で、自作PCユーザーにはおなじみのHDD高速化技術だが、VAIO TのようなUltrabookではmSATAタイプの小型SSDを使うことにより、薄型ボディながらHDDとSSDの両方の搭載を実現しているのは見逃せない。

 ISRTの設定は「インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー」のユーティリティで確認、変更が可能だ。ISRTの設定(高速モード)には、「拡張」と「最速」の2種類があり、データの記録方法が異なる。

 「拡張」モードはデータをSSDとHDDの両方へ同時に書き込むことから、速度面では不利だが、SSDに障害が発生してもHDDにデータが残るので安全性が高い。「最速」モードはデータをSSDに書き込み、後からHDDへ記録するため、拡張モードより高速だが、SSDに障害が発生するとデータ喪失のリスクがある。VAIO Tでは安全性に配慮し、「拡張」に設定してあった。

ISRTの設定は「インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー」のユーティリティで確認できる。ISRTの設定(高速モード)は、「拡張」モードだった。今回入手した11.6型/13.3型の店頭モデルは、SSDにSamsungのMZMPC032HBCD、HDDにHGSTのZ5K500-500を利用していた。Windows 7の「コンピューター」からキャッシュは見えず、約451GバイトのCドライブとして認識されている

 なお、底面のコインネジで固定されたバッテリーを取り外し、その下にあるネジを3本回してカバーを分離すると、DDR3L対応SO-DIMMのメモリスロットと7ミリ厚の2.5インチSerial ATA HDDにアクセスできる。Ultrabookは本体を分解しないと、メモリやストレージにアクセスできない製品が標準的なので、(メーカー保証対象外の行為にはなるが)これらを交換・増設しやすい設計になっているのは便利だ。

11.6型店頭モデル(写真=左)と13.3型店頭モデル(写真=右)にて、バッテリーを外し、メモリスロットとHDDのカバーも分離した状態。メモリとHDDに簡単にアクセスできるUltrabookは貴重だ

直販モデルは第3世代Core i7やSSD単体の構成も選択可能

 直販モデルでは店頭モデルの仕様以外にも、購入時に各スペックをカスタマイズできるのが特徴だ。

 CPUは第3世代Coreの2コア/4スレッド対応モデルであるCore i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz ※デュアルコアアクティブ時は最大2.8GHz)や、第2世代CoreのCore i5-2467M(1.6GHz/最大2.3GHz)もしくはCore i3-2367M(1.4GHz)を選択できる。もっとも、少しでも安価に購入したい場合を除き、今から第2世代Coreを選ぶ意味はなく、グラフィックス性能と省電力で有利な第3世代Coreがおすすめだ。

 メインメモリは8Gバイト(オンボード4Gバイト+4Gバイト)、6Gバイト(オンボード4Gバイト+2Gバイト)、4Gバイト(オンボード4Gバイト+空きスロット1基)、4Gバイト(オンボード2Gバイト+2Gバイト)、2Gバイト(オンボード2Gバイト+空きスロット1基)から選べる。

 オンボード2Gバイトの構成を選ぶと、後から4Gバイトのメモリを増設しても最大容量が6Gバイトになるので注意したい。オンボード4Gバイトの構成で、空きスロット1基に4Gバイトのメモリを増設するか、最初から最大容量でメモリのデュアルチャンネルアクセスが最大限生かせる8Gバイトがベターだ。

 ストレージは320GバイトHDD+32GバイトSSD(ISRT対応)に加えて、ISRTを利用しない単体のSSDも搭載できる。容量は128Gバイト、256Gバイトと、512Gバイトから選択可能だ。ISRTによるHDDとSSDのハイブリッド構成は大容量と高速なレスポンスをある程度は両立してくれるが、単体のSSDのほうが高速で、消費電力や重量、耐衝撃性といった面でも優位に立つ。予算に余裕があるならば、SSDを選んだほうが快適なのは間違いない。

 ちなみに今回入手した直販モデルは、11.6型も13.3型もCore i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz)、8Gバイトメモリ、512GバイトSSDとハイエンドの構成だった。店頭モデルとの実際の性能の違いについては、レビュー後編でお届けする。

CPU-Zの情報表示画面。直販モデルではさらに高性能なCore i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz)を選べる(写真=左)。CPUに負荷をかけ続けるCINEBENCH R11.529のテスト中は、2コアアクティブ時の上限である2.8GHz近くまでクロックが上がっており、こちらもスペック通りの性能を引き出せた(写真=右)

11.6型/13.3型の直販モデルにおける「インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー」のユーティリティ画面。今回入手した直販モデルはいずれも単体の512Gバイトモデルだ。今回入手した11.6型直販モデルはTOSHIBA THNSNS512GCSP(写真=左)、13.3型直販モデルはSAMSUNG MZ7PC512HAGH-000(写真=右)を搭載していた。いずれも約454GバイトのCドライブが設定されていた

11.6型直販モデル(写真=左)と13.3型直販モデル(写真=右)にて、バッテリーを外し、メモリスロットとHDDのカバーも分離した状態。いずれもHDDの代わりにSSDを搭載し、メモリスロットに4Gバイトモジュールを足している

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