知る人ぞ知る「タブレットをまとう合体スマホ」がついに日本上陸だ。
ASUSTeK Computerは既報の通り、独自の合体機構によりタブレットとしても利用できるスマートフォン「PadFone 2」を2013年1月12日に発売した。早速、実機を入手したので、ユニークな合体変形機構を中心に見ていこう。
PadFone 2はその名の通り、タブレットとスマートフォン、両方の機能を備えた新発想のスマートデバイスだ。4.7型ワイド液晶を採用したAndroid 4.1.1搭載のスマートフォンと、専用ドッキングステーションの「PadFone 2 Station」で構成され、2つを合体させることで、10.1型ワイド液晶を装備したAndroidタブレットに早変わりする。このユニークな仕様は他に類を見ず、ASUSはPadFone 2をスマートフォンではなく「スーパーフォン」と呼んで、差異化を図っている。
スマートフォンからタブレットへの切り替えは実に簡単だ。PadFone 2 Stationの背面にあるスロットにスマートフォン本体を装着するだけで、直ちにタブレットへ変身する。スマートフォンの電源を入れたまま、PadFone 2 Stationに装着すると、ほんの数秒でタブレット側の液晶が表示され、スマートフォンを引き抜くと、すぐにスマートフォン側の液晶が表示されるため、切り替えに待たされることはない。
着脱の機構もよく作り込まれている。スマートフォンをスルッと滑らかに装着できることに加えて、装着時はしっかり固定され、タブレットを逆さまにして振ってもスマートフォンが脱落することはない。それでいて、スマートフォンを外すときは、意外に軽い力でサッと引き抜ける。合体変形を特徴とするデジタルガジェットは、こうした機構がしっかりできていないと魅力半減だが、PadFone 2は合格点だ。
スマートフォンからタブレットへの切り替えでよくできているのは、PadFone 2 Stationの着脱に合わせて、きちんとAndroid 4.1.1のホーム画面がスマートフォン用とタブレット用に変わることだ。単にスマートフォンのUIを拡大表示してごまかすのではなく、合体時は通常のAndroidタブレットと遜色なく使える。
また、Webブラウザを起動している状態でPadFone 2 Stationと合体すると、スマートフォン側の液晶ではスマートフォン用の簡素なページが表示されていたのが、タブレット側の液晶ではPC用のリッチなページが映し出される(Webサイトの作りによる)。そのため、スマートフォンで表示中のWebページをもっと大画面でよく見たい場合、すぐに合体して続きを情報量の多いPC用ページで閲覧するといったことが簡単に行えるのは便利だ。
このようにスマートフォンとタブレットの切り替え時は、画面の再描画が行われるが、この際に起動中のアプリをすべて開いたままにするか、特定のアプリのみ開いたままにするのかを設定できる。また、タブレット専用アプリをスマートフォン単体で起動しようとした際、閉じる前に確認するか、常に閉じるか、といった設定も可能だ。スマートフォンとタブレットの両方を無理なく切り替えて利用できるよう、こうした独自の設定メニューもしっかり用意しているのはありがたい。
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