3DMark Android Editionを使って、Nexus 7、AQUOS PHONE Xx 203SH、HTC J butterfly、Xperia Z SO-02E、そして、GALAXY Note II SC-02EとG'zOne TYPE-Lを測定した。測定したデバイスの主な仕様(特にベンチマークテストのスコアに影響しそうなところ)は以下のようになる。
型番 | Nexus 7 | AQUOS PHONE Xx 203SH | HTC J butterfly | Xperia Z SO-02E | GALAXY Note II SC-02E |
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プロセッサー | Tegra 3 | Snapdragon APQ8064 | Snapdragon APQ8064 | Snapdragon APQ8064 | Exynos4412 |
動作クロック | 1.2GHz | 1.5GHz | 1.5GHz | 1.5GHz | 1.6GHz |
コア数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
グラフィックスコア | ULP GeForce | Adreno 320 | Adreno 320 | Adreno 320 | Mali-400 |
システムメモリ(RAM) | 1Gバイト | 2Gバイト | 2Gバイト | 2Gバイト | 2Gバイト |
液晶ディスプレイサイズ | 7インチ | 4.9インチ | 5インチ | 5インチ | 5.5インチ |
解像度 | 1280×800ピクセル | 1280×720ピクセル | 1920×1080ピクセル | 1920×1080ピクセル | 1280×800ピクセル |
Android | 4.2 | 4.1 | 4.1 | 4.1 | 4.1 |
用意したデバイスは、G'zOne TYPE-Lを別として、NVIDIAのTegra 3プラットフォームとSamsungのExunos 4プラットフォーム、そして、Snapdragon APQ8064プラットフォームに分けることができる。総合スコアのIce Storm scoreとIce Storm Extrem scoreは、Snapdragon APQ8064が圧倒的に優勢だ。Nexus 7とGALAXY Note IIは、G'zOne TYPE-Lにも及ばない。
しかし、Futuremarkが用意する算出式で求めるGraphics scoreとPhisics socreでは、Graphics scoreでSnapdragon APQ8064搭載デバイスが圧倒的であるものの、Physics scoreでは、その差はなくなり、GALAXY Note IIのスコアはAQUOS PHONE Xxを上回る。
これは、測定した“生データ”ともいえる各テストの平均フレームレートの値を見ても、同様で、Graphics test 1とGraphics test 2のフレームレートはSnapdragon APQ8064搭載デバイスが大きく差をつけているが、Physcis testのフレームレートではその差が縮まり、GALAXY Note IIのフレームレートはAQUOS PHONE Xxを上回る
Graphics test 1もGraphics test 2もグラフィックスコアの描画性能を測定するテストで、Graphics test 1は、頂点(vertices)演算処理性能を、Graphics test 2は、ピクセル演算処理性能を測定する。対して、Physics testは、CPUコアで行う物理演算処理性能を測定する。Futuremarkのスコア算出式において、Ice StormはGraphics testのウエイトをPhysics testの2倍以上にしているため、グラフィックスコアの性能をより反映することになる。そのため、Ice Storm scoreで差がついていても、CPUコアの性能は互角か、または、上回っていることもありえる。
3DMark Android Editionは、ARM系プロセッサーを搭載してAndroidを導入するタブレットデバイスやスマートフォンでゲーム利用を想定したパフォーマンスの指標として開発したベンチマークテストだ。その存在意義は、これまでのPC版3DMarkと変わらない。ただ、製品の優劣を示す指標として、ベンチマークテストのスコアは分かりやすいため、店頭のPOPやユーザーのレビューなどで示すことが増えてくるだろう。
タブレットデバイスやスマートフォンの優劣は、グラフィックスコアの優劣だけで決まるものではない。その上で、3DMark Android EditionのIce Storm scoreは、一場面における総合的な性能指標に過ぎないことと、少なくとも、Graphics scoreとPhysics scoreで、グラフィックスコアとCPUコアの処理性能の指標として使えるデータとなることを意識してユーザーは利用したい。
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