「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD15」のユーザーインタフェースを試す注目WiMAX 2+ルータ詳細レビュー(2/2 ページ)

» 2014年11月14日 09時30分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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タッチパネルUIも分かりやすい改良を

 モバイルルータは本体の操作性という部分はさほど重要視されないし、日常的には電源のON/OFF程度の操作しかしないだろう。しかし、WiMAX 2+対応のモバイルルータに関しては、ハイスピードモード/ハイスピードプラスエリア/ノーマルモードを使い分ける必要があり、日々の利用で無視できない。

 HWD15はHWD14に引き続いて2.4型というモバイルルータとしては大きいディスプレイを搭載して、このディスプレイを指でタッチして操作する。ESS IDやパスフレーズなどの詳細設定はWebブラウザから接続して行う必要があるが、かなり多くの操作を本体のみで行える。この点は2つのボタン、さらに長押しという操作も併用しての操作するNAD11と比べて分かりやすく快適だ。

 HWD14と操作性はほとんど変わっていないが、HWD15では先に上げた通信モードの切換がトップの階層に配置しているのでより素早く切り替え可能になった点は地味ながらも大きな改善点だ。HWD14ではカスタマイズしても同じ配置にはできなかったが、この点はユーザー声がきちんと反映されたのだろう。

HWD14からトップメニューの項目を変更して通信モードがワンタッチで呼び出せるようになった。通信モードの切換が1階層浅くなっただけだが、トップメニューから操作してトップメニューまで戻るという操作では2ステップの操作を省力したことになる

 一方で、HWD15でもNAD11のようなスマートフォンからの各種操作ができるアプリが提供されていない。Huawei製のモバイルルータに対応するアプリがHWD15でも利用できるが、バッテリー残量の表示は不正確で、通信モードの切替えもできない。NAD11は本体のみ操作がなかなか難しいものの、アプリを使うことでその不満の多くが解消できる。HWD15でも、通信モードの切り替えだけでもいいからUQなりKDDIが専用アプリを提供してもいいのではないだろうか。

HWD15には正式には非対応だが、Android向けのアプリ「HUAWEI Mobile WiFi 3」が利用できる。アンテナバー、データ通信量やバッテリー残量の確認が可能。ただし、バッテリー残量に関しては表示が不正確だ。また、WiMAXでの接続時にはWAN側は未接続の表示なるなど、万全とはいえない

ショートカットからの再起動と電源OFFは問題なく利用できるが、電源OFFはHWD15ではスタンバイモードへの移行となる。再起動が必要なのはスマートフォンとの無線LAN接続がうまくいかない場合などが多いと思うので、その場合には当然アプリからの再起動はできないので、微妙な機能ともいえる

 時期は過ぎてしまったが、薄着のシーズンにはモバイルルーターをカバンに放り込みっぱなしで必要な操作をできるというのは想像以上に便利だ。特にHWD15のようにコンパクトだが厚みのあるデザインの場合、衣服のポケットに収めておくことを好まないユーザーは多いだろう。製品の魅力を増すという意味ではこれからでもいいので専用アプリの提供を期待したい部分だ。

エリア重視、お手軽に使いたいユーザーに適したWiMAX 2+対応モバイルルータ

 WiMAX 2+対応製品としては3製品目、Huawei製としては2世代目でもあるHWD15は、先代となるHWD14の弱点を改善してきた。WiMAXハイパワーに対応することでカタログスペック上のWiMAX通信時バッテリー動作時間は短くなってしまったが、実用ベースで気になるほどではないし、バッテリー動作時間はHWD14から変わらず優秀だ。検証期間においてもスマートフォンやタブレットを接続しっぱなしでカタログスペックの580〜650分はクリアできた。省電力機能も活用するとバッテリー動作時間はぐっと伸びる。

 HWD15は省電力機能として無通信時にWAN側のみを切断するクイックアクセスモード、無通信時にWAN/無線LAN側を切断するECOモードの2つを備える。後者はほかの製品でいうスタンバイモードのようなもので、利用再開時にはHWD15の電源ボタンを操作する必要があるが、端末側から意図的に無線LAN接続を切るようにしておけばかなり有効で、日常的な利用であれば12〜15時間位はバッテリー動作してくれることが多かった。スマートフォンやタブレットの場合、無線LANと画面のON/OFFを連動できる場合が多いので、組み合わせるとかなり有効に機能する。なお、電源OFFからの起動が速いので、こまめに電源を切ることも苦にならない点もメリットだ。

 NAD11と比較すると、無線LANのLAN側での5GHz帯、および、IEEE802.11ac非対応という点が気になるし、無線LAN接続ではWiMAX 2+の高速性を生かし切ることが出来ない。一方で、使用した月のみ1080円を支払えば実人口カバー率99%のau 800MHz帯LTEも利用できる安心感は強い。都市部での利用中心であっても、年に数回、帰省や旅行時にWiMAXのエリア外に行く程度なら、その時だけ1080円/月を払えば済むというのは悪くない選択肢だ。

 WiMAX 2+対応のモバイルルータの選択肢は現時点ではHWD15とNAD11になるが、その個性がはっきりしている。家電的な手軽さを持ち、サイズと重さは少々あるが、運用を気にせずともバッテリーが1日持つHWD15と、薄くて軽くて専用アプリと組み合わせることで実質的な長時間のバッテリー運用を可能にしているNAD11は、道具としてのモバイルルータとして機能を磨き上げた製品で使いこなす楽しみも与えてくれる。お手軽、かつ、長時間のバッテリー駆動を望むユーザーにはHWD15が向いている。

 最後にHWD15で気になった点にも触れておくと、スマートフォンやPCとの組み合わせ次第では、時折無線LANが切断して、すぐには再接続できない症状が見られた。HWD15側の再起動でほぼ解消するし、再起動もさほど時間が掛からないので気にならない場合も多いが、固定インターネット代替での利用だと、ストリーミングでの動画視聴、ネットゲームなどで困る場合も多いだろう。ソフトウェアアップデートなどで改善可能と思うので、引き続いての改善に期待したい。

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