Apple Watchの「ハートビート」は送る相手をよく考えよう女子流「Apple Watch」活用術(5)

» 2015年05月07日 06時00分 公開
[らいらITmedia]

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 Apple Watchには便利な機能がいくつも搭載されていますが、中にはなぜ採用されたのかよく分からないような謎の機能もあります。中でも「ハートビート」は、Apple Watch界隈(かいわい)においてキングオブ珍機能の地位を築きつつあるといっても過言ではないでしょう。

 Appleは新しいコミュニケーションの形として、Apple Watchに「Digital Touch」機能を搭載しました。Digital Touchでは、指でお絵かきして相手に送る「スケッチ」や、こちらのタップを相手の画面上で再現する「タップ」、そしてお互いの心拍数を送り合える「ハートビート」の3つの新しいコミュニケーションができるようになっています。

 Digital Touch機能を使うには、Apple Watchに相手の連絡先を登録しており、お互いがApple Watchユーザーである必要があります。

 と言っても何のことやらよくイメージできないと思いますので、ここからは実体験リポートをお届けしましょう。

 ある晩、私がせっせと原稿を書いていると、Apple Watchに見慣れない通知画面が届きました。連載担当の編集Gさんからです。

ん、見慣れない通知画面だ!

 編集Gさんとは普段、Skypeかメッセージアプリでしか連絡を取らないため、不思議に思って通知をタップしました。次の瞬間、画面に現れたのは……。

もわあ〜ん

 「もわあ〜ん」と謎の円が画面に浮かび上がり、その度にトン、トン、とApple Watchの「Taptic Engine」が私の手首を優しくたたいてきます。円は美しい粒子となって消え、あっという間になくなってしまいました。

 いかがでしたでしょうか。これが2015年最先端のコミュニケーション、「タップ」です。

 私がSkypeで「Apple Watch買ったんですか!?」と尋ねると、再びApple Watchに通知が来て、今度は文字が浮かび始めました。

編集Gさんが指先で紡いだ「NO」

 ちょっと読みづらいですが、「NO」と書かれているようです。

 いかがでしたでしょうか。これが2015年最先端のコミュニケーション、「スケッチ」です。

 公式サイトやデモではかわいいハートマークやお花の絵が描かれていますが、仕事上の付き合いでは、文字を書いて短文メール代わりにできることが判明しました。Gさんに「なるほどこれで原稿の催促をすればいいんですね」と言われ、気づけば私も「がんばります」と返事を書いていました。Apple Watchの画面では、これくらいの文字量が限界のようです。無駄に長い返事を書かずに済むのがいいですね。

文字数が増えると指で書くのが大変になってきます

 最後は真打ち登場です。今度は私からDigital Touchの3番目の機能を使って送信してみます。画面に2本指を軽く押し付けて、しばらく待ちます。すると、Apple Watch内蔵の心拍センサーが心臓の鼓動を読み取り、それをTaptic Engineがリアルに再現し、ドクドクと振動し始めます。さらに画面には鼓動のリズムがアニメーションで表示され、そのまま相手に送られます。

 しばらくたつと、返信としてGさんの鼓動が送られてきました。画面には同じように心臓の鼓動がアニメーション表示され、私の手首にGさんの鼓動がドクドクと伝わってきます。

心臓の鼓動がアニメーションと振動の両方で伝わってくる。これはなんともキモ美しい……

 いかがでしたでしょうか。これが2015年最先端中の最先端コミュニケーション、「ハートビート」です。

 きっと恋人同士だったら楽しかっただろうに、今回はお互いにただひたすら「なにこれこわい」「気持ち悪い」と言って微妙な空気とともに終わりました。どうやらお互い送る相手を完全に間違えたようです。これは誰にでも気軽に使っていい機能ではない気がしますね。ただ、ハートビートのアニメーション自体は美しく見とれてしまうほどで、一見の価値があります。さすがアップル。

 というわけで、最後のはちょっとした失敗例みたいになってしまいましたが、このDigital Touch機能は、使い方が予想しづらかったぶん、実際にやってみると想像以上に楽しく新鮮な気持ちでコミュニケーションができました。

Digital Touch機能の説明。画面を1本指でなぞるとスケッチ、2本指で押し当てるとハートビート、軽く押すとタップ(繰り返しタップすると、そのパターンを送信)

画面をポンと軽く押すと「タップ」を送信。繰り返しタップすると、そのタップパターンを送信できる
画面を指でなぞると、その軌跡を「スケッチ」として送信できる
画面に2本の指を置いて待つと、自分の「ハートビート」をTaptic Engineがドクドクと再現し、アニメーション表示とともに送信する

 特にスケッチは将来、Apple Watchの普及とともに使用頻度が増えていく予感がします。定型文やスタンプだけの返信ははばかられますが、iPhoneを取り出して長文を書くのは面倒だと感じる場面は少なくありません。

 そんなとき、スケッチで「よろしく!」などと指で書いて送れば、短時間で書き手らしさのあるメッセージを送ることができます。Apple Watchで手書き文化の再来となるでしょうか?

 ほかにも、家族との待ち合わせのとき、到着したことをタップして知らせるなど、実用的な側面もかなりありそうです。今は珍機能のイメージが拭えないハートビートについても、心拍をリアルに送れることで健康相談など別の活用が開けてくるかもしれません。

 このように、Apple WatchのDigital Touch機能は大きな可能性を秘めています。せっかくのDigital Touch機能を使える相手が少ない私としては、Apple Watchが早く普及することを願ってやみません。

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