一方の21.5インチiMacに注目した理由は、これまで最上位構成にしかなかった4Kディスプレイ(16:10アスペクト、4096×2304ピクセル)を採用したモデルが拡大され、さらに外部GPU(Radeon Pro)が搭載されたからだ。
従来モデルの場合、27インチモデルにはRadeon R9が搭載されていたものの、21.5インチモデルはCPU内蔵GPUを使っていた。そのため、外部GPUの採用でグラフィックス処理のパフォーマンスは一気に3倍に向上する。メインメモリの最大容量が2倍の32GB(標準は16GB)に増加した点も見逃せない。
そのうえで、27インチ、21.5インチともに液晶パネルの輝度が43%向上。表示階調も8bit(256階調)から10bit(1024階調)になった。ハンズオン会場では実際に写真や映像編集を行うアプリケーションが動かされていたが、こちらも目で見て分かるレベルで画質が上がっている。
もちろん、プラットフォームがSkylakeからKaby Lakeに切り替わって、プロセッサ速度が向上し、Thunderbolt 3対応になったことなども大きなトピックだが、27インチモデルは大きすぎると感じていた方には、コンパクトな21.5インチモデルが表示品質とグラフィックス性能を大幅向上させたことの方が大きなインパクトと言えよう。
ただし、大きな問題ではないものの、27インチモデルでしか選べない設定は、まだ他にもある。1つは内蔵ストレージの容量で、27インチモデルにはFusion Driveならば3TB、SSDならば2TBを選択できるが、21.5インチモデルの最大ストレージ容量はいずれも1TBが上限となっている。またメモリの最大容量も、前述したように2倍の32GBとなったが、同じく2倍となった27インチモデルの64GBには届かない。
メモリ容量はともかくとして、自分では交換できない内蔵ストレージは両サイズで同じ容量を用意してほしいものだが、それを差し置いても、注目モデルとして21.5インチモデルを選んだのは、サイズと価格のバランスがよいと感じるためだ。
先のMacBookのアップデートと組み合わせて考えると、出先ではMacBook、オフィスや自宅ではiMacと、場面に合わせて使い分けることができれば、かなり快適な環境を構築できるだろう。
なお、同じくKaby Lake搭載となったMacBook Proシリーズも当然ながらグラフィックスを含め、仕様がアップデートされているが、残念ながらメインメモリへのDDR4搭載が見送られ、最大容量が16GBまでという仕様に変化はない。
Appleはメモリの32GBオプションが存在しない理由を「消費電力増大によるバッテリー駆動時間へのインパクトを避けるため」と説明していたが、Kaby LakeとともにDDR4も採用すれば……と思っていただけに、この点はやや残念だ。
以上、自分に合った製品を選ぶ参考となればうれしい。
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