今回のM1 UltraとMac Studio、そしてカメラ、マイク、スピーカーの品質を高めた「Studio Display」の登場で、iMacの27インチモデルは現行モデルから消えた。Mac StudioとStudio Displayで代替できるためだ。
しかし、前述したようにメモリやPCI Expressカードの拡張性で違いがあるため、Mac Proは現行機種として残っている。もう一つ、Mac miniのIntelプロセッサモデルも販売が継続されているが、こちらはどこかのタイミングで、M1 Pro搭載モデルが用意される可能性もある。M1 Pro搭載モデルがMac Studioに用意されていないのは、ラインアップ上の何らかの都合だと考えられるからだ。
ではこの先、どのようにAppleは残された移行計画を達成するのだろうか。
共有メモリアーキテクチャを生かすのであれば、M1ファミリーの拡張では難しい。M1 Maxを4個接続しないのか、という疑問を持つ方もいるだろうが、前述したように4個分のSoCリソースをコントロールするだけの回路を内蔵させているとは思えない。
あるいは年内に「M2」という新しいSoCファミリーが誕生し、残る余白を埋めてくれるのかもしれない。
Appleの半導体生産パートナーである台湾のTSMCは、既にM1シリーズで採用した5nmプロセスより微細化した4nmプロセスでの製造を進めているといわれ、年内には3nmプロセスのN3を用いたSoCの量産に入るとアナウンスしている。iPhoneに向けた次世代のAシリーズはもちろん、次世代のMシリーズについてもこうした製造技術の進化が計画に影響を与えることとなる。
Appleが「M1 Ultra」を発表 「M1 Max」を2基連結して“スペック2倍”に
M1 Ultra/M1 Max搭載の超小型デスクトップPC「Mac Studio」登場 3月18日発売で24万9800円から
Appleが27型5Kディスプレイ「Studio Display」を3月18日発売 19万9800円から
「iPhone SE(第3世代)」は結局どこが進化してどんなユーザー向けなのか 最新チップがもたらす大きな違い
新「MacBook Pro」を使って分かった超高性能と緻密なこだわり M1 Pro・Maxでパソコンの作り方まで変えたApple
「M1 Pro」「M1 Max」は結局どこが違って何が進化したのか 極めて合理的なAppleの選択
新「MacBook Pro」で一層際立つApple独自チップの価値 M1 Pro・Maxだけではない全面アップデートも注目
「24インチiMac」を試して実感した“Apple M1の強み” iPhoneで磨かれた技術がついにデスクトップへ
ついにiMacとiPad Proも「M1」搭載 次のAppleシリコンMacはどうなるのか
「Apple M1」のMacBook AirとPro、Mac miniを3台まとめて実力チェック 驚異的な性能が明らかに
「Apple M1」でMacの性能が大きく伸びたワケ Intel脱却計画に課される制約とは?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.